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社会に関するsuna_zuのブックマーク (862)

  • 既存の「わかりやすい」人類史を現代の知識・研究でとらえなおす、『ブルシット・ジョブ』著者の遺作となった大作ノンフィクション──『万物の黎明 人類史を根本からくつがえす』 - 基本読書

    万物の黎明 人類史を根からくつがえす (翻訳) 作者:デヴィッド・グレーバー,デヴィッド・ウェングロウ光文社Amazonこの『万物の黎明』は、世の中にはやってもやらなくてもいいようなクソどうでもいい仕事で溢れているのではないかと論を展開した『ブルシット・ジョブ』で知られるデヴィッド・グレーバーの最新作にして、遺作となった大作ノンフィクションである(単著ではなく、考古学の専門家デヴィッド・ウェングロウとの共著)。今回テーマになっているのは、サブタイトルに入っているように、「人類史」だ。 多くの(特に売れている)人類史には、環境要因に注目したジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』や「虚構」をテーマにしたユヴァル・ノア・ハラリの『サピエンス全史』のように「わかりやすい切り口」が存在するものだが、書(『万物の黎明』)の特徴の一つは、数多語られてきた「わかりやすい切り口」の「ビッグ・ヒストリ

    既存の「わかりやすい」人類史を現代の知識・研究でとらえなおす、『ブルシット・ジョブ』著者の遺作となった大作ノンフィクション──『万物の黎明 人類史を根本からくつがえす』 - 基本読書
  • 人生を変える社会学──『岩波講座 社会学』刊行にあたって

    このたび、『岩波講座 社会学』が正式に刊行開始となりました。前回の「岩波講座」からほぼ30年経つ。私のほかに、北田暁大、筒井淳也、丸山里美、山根純佳の各氏が全体の監修を務め、テーマごとに編集される全13巻の各巻に、そのテーマに造詣が深い社会学者が編者になります。 前回の「岩波講座」が刊行されたときは、たしか私はまだ院生でした。貪るように読んだことを覚えています。あれから社会も、社会学も、大きく変化しました。 前回は上野千鶴子や吉見俊哉、大澤真幸などが全体の監修者で、巻数も26あったと記憶しています。各巻のタイトルも凝ったものが多かった。執筆者も社会学プロパーだけでなく、竹田青嗣などの周辺領域の方が入っていました。文体や内容も派手で、自由で、雑多で、それほど社会学とは関係のないものもたくさんありました。もちろんそれだけではなく、当時の最先端の社会学的な議論をしている論文もたくさんあって、たと

    人生を変える社会学──『岩波講座 社会学』刊行にあたって
  • ショッピングと投資の陰に潜む「現代奴隷」 | アライアンス・バーンスタイン株式会社

    衝撃的かもしれないが、地元の店に生鮮品や衣類を買いに行くことが、人間に対する搾取を助長しているかもしれない。投資家にとって、同じような構図はポートフォリオの中にも存在している可能性があり、それを排除するには受け身の取り組みだけでは不十分である。 現代の奴隷労働とは、企業のサプライチェーンや運営において強制労働や他の人権侵害が行われていることを指し、公式には違法とされている。だが、先進国を含む多くの国ではいまだにそれがまん延している(図表)。ある推計によると、2016年には4,030万人がその被害者となった。それは地球上の185人のうち1人に相当し、そのほとんどが女性と少女である*。 消費者はこの問題に対する認識を高めつつあり、明らかに倫理的な理由からそのような問題を排除する行動を取り始めている。投資家も同じで、ファンダメンタル・リサーチを強化し、保有銘柄への信頼度を高めるために、環境・社会

    ショッピングと投資の陰に潜む「現代奴隷」 | アライアンス・バーンスタイン株式会社
  • 山本一郎『日経そのものがエンターテイメント』

    一郎オフィシャルブログ「どうしてこうなったのか」Powered by Ameba 山一郎オフィシャルブログ「どうしてこうなったのか」Powered by Ameba JBpressと日経BPが揉めているというので見物に逝きました。 あのオリンパスに「日経ビジネス」が社外取締役JBpressを叩き潰すと言うなら読みたい「敗軍の将兵を語る」 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/26723 JBpressは記事で相手を煽る技法を普段使っていないせいか、タイトルから中身まで「どうせ罵倒するのであれば、もう少し丁寧かつ効果的、徹底的に馬鹿にするべき」と思うので、ぜひ読者と対象者に響く罵倒道、失笑術というものを体得して欲しいと思います。 要するに、 ・日経ビジネスには、ビジネスで失敗した人や事案にフォーカスを充てて、失敗の実例を掲載する「敗軍の将」のコーナー

    山本一郎『日経そのものがエンターテイメント』
  • リバタリアニズム思想史 1850-2020

    吉良貴之|Kira, T. @tkira26 [お買いもの] 1850年頃からのリバタリアニズム思想史。 Zwolinski, M., & Tomasi, J. (2023). The Individualists: Radicals, Reactionaries, and the Struggle for the Soul of Libertarianism. Princeton UP. press.princeton.edu/books/hardcove… twitter.com/i/web/status/1… 2023-08-07 02:03:31 リンク press.princeton.edu The Individualists A sweeping history of libertarian thought, from radical anarchists to conser

    リバタリアニズム思想史 1850-2020
  • 読書メモ:『市民的抵抗:非暴力が社会を変える』 - 道徳的動物日記

    市民的抵抗:非暴力が社会を変える 作者:エリカ・チェノウェス 白水社 Amazon 『福祉国家』、『ポピュリズム』、『移民』、『法哲学』、『マルクス』、『貧困』と、最近のこのブログではVery Short Introduction シリーズの邦訳書を紹介し続けているが、今回は同じくオックスフォードのWhat Everyone Needs to Knowシリーズからの邦訳である『市民的抵抗』を紹介。 「市民的抵抗」の定義とか書の目的とかは以下の通り。 市民的抵抗とは、政治的、社会的、経済的な現状を打破しようとする目的で、暴力を用いる、あるいはちらつかせる者に対して、暴力を用いずに、暴力をちらつかせたりせずにおこなう集団行動様式である。市民的抵抗は、手段と目的において、組織立っており、民衆によるものであり、明確に非暴力である。書は、市民的抵抗キャンペーンがかたちづくり、戦略を立て、組織化し

    読書メモ:『市民的抵抗:非暴力が社会を変える』 - 道徳的動物日記
  • 福祉課に駆け込んできた

    兄が反社会性パーソナリティ障害だとおもうんだけど、警察のお世話になるレベルではなく、家庭内暴力を繰り返し、金銭を要求してくるレベル。ADHD傾向があって、衝動的でキレやすい。計画性のある行動ができない。いわゆるグレーゾーン。 母がもう歳なので、この暴れん坊を世話することも限界がきている。 自分が引き継ぐなんてまっぴらごめんなので、地域の福祉課に電話して助けを求めた。 話を聞いてくれるということで、直接話してきたんだけど、結果からいえば、何も解決できなかった。 担当者は、ちゃんと心理カウンセリングの勉強をしているとすぐにわかった。否定もせず肯定もせず、熱心に聞いているようで、共感は示さない。 自分も、兄の様子は子供の頃からおかしいと思ってたので、精神医学に関することは軽く調べているので、兄がなんらかの発達障害、パーソナリティ障害の傾向があるということは確信している。反社会的な行動に関しての良

    福祉課に駆け込んできた
  • 反共同体主義としてのリバタリアニズム(読書メモ:『自由はどこまで可能か』) - 道徳的動物日記

    自由はどこまで可能か=リバタリアニズム入門 (講談社現代新書) 作者:森村 進 講談社 Amazon タイトル通り、思想や哲学としてのリバタリアニズムの入門書。 書の初版は2001年ともう20年以上前であるし、わたしが書を最初に読んだのも学部生だったときだ。書の書評やレビューはネットの内外にて既に大量に書かれているだろうから、この記事では書の内容を要約するということはせず、先日に読み直したときにとくに印象に残った箇所……第4章「政府と社会と経済」で、共同体主義(コミュニタリアニズム)や共和主義などの「連帯感」を重視した発想に対して批判を行なっている箇所を主に紹介しておこう。 経済的不平等は社会内部の連帯感を損なう、と言われるかもしれない。だが、リバタリアンはそもそも相互に人間性を認め合うという、礼儀正しい尊重以上の濃い連帯感が社会全体の中に存在しなければならないとは考えない。濃い連

    反共同体主義としてのリバタリアニズム(読書メモ:『自由はどこまで可能か』) - 道徳的動物日記
  • 「いったいホストに何千万もつぎ込む売春女のどこが貧困なんだよ(笑)」「ここです」。 - Something Orange

    「ホス狂い」という言葉をご存知だろうか。 主に女性をあいてにする遊興施設であるホストクラブに通いつめ、何百万、何千万という大金を浪費して「ホスト遊び」に夢中になる女性たちを指す俗語だ。 そういった女性たちのなかには、違法な売春を行ってそのカネをホストに貢ぐ人物が少なくないことが知られており、社会問題化している。 ホス狂い ~歌舞伎町ネバーランドで女たちは今日も踊る~(小学館新書) 作者:宇都宮直子 小学館 Amazon ホス狂い 作者:大泉りか 鉄人社 Amazon メイド喫茶で働いてお金貯めて整形してコスプレイヤーになってホス狂いしてAV女優になった話 hilia TALK 作者:高嶋 めいみ 主婦の友社 Amazon そうでなくても一般に「ホス狂い」は社会的逸脱として見られる行動であり、社会が彼女たちを見る目は冷たい。 もちろんインターネットでもそうで、ツイッターを検索すると、そのよう

    「いったいホストに何千万もつぎ込む売春女のどこが貧困なんだよ(笑)」「ここです」。 - Something Orange
  • 女の賃金が少ないのは「男らしさ」から降りているから|Prof. Nemuro🏶

    では(おそらく意図的に)不正確に報道されているが、スウェーデン王国銀行経済学賞を受賞したゴールディンの(アメリカにおける)男女の賃金格差についての発見とは、その根的な原因は性差別ではなくextremeな働き方の性差だったというものである。 それでも残る賃金格差みたいなものとして彼女(Goldin)が注目したのが、どれぐらい長時間労働できるかとか、どれぐらいクライアントの要求にフレキシブルに対応できるかって。我々の番組タイトルで、extremeな働き方をしてると単に稼げるだけじゃなくて一時間当たりの時給みたいなものも高くなりがちだって。 男女が同一労働同一賃金であっても、その二人が結婚して子供が生まれると、「男はextremeな働き方を継続・女は子育てのために仕事をセーブ」という分業となり、賃金格差が生まれるわけである。 格差を問題視する人々は「女が不幸な立場を強いられている」ように叫

    女の賃金が少ないのは「男らしさ」から降りているから|Prof. Nemuro🏶
  • 小学校低学年で「正方形の対角線の長さをみんなで測る」授業で「正確な数値より多数決で『正しい答え』を決めた」から始まる『集団生活で必要な思考法』の話 (2ページ目)

    Jun @junichilucky 凄い! 小学低学年で √2=1.41421356・・・ を理解?(*゚д゚*) ってか、多数決?で真理曲げて嘘教えちゃう教師も凄いな。 大学出て教員免許持ってんだから、文系でも √2 の近似値 くらい知ってるはずだけどねぇ。 驚愕(*゚д゚*) twitter.com/hidemin/status… 2017-09-06 00:25:55 ひでみん @hidemin 小学校低学年で「1cm角の正方形の対角線の長さをみんなで測ってみよう」というとき、みんなが1cm5mmと答える中、わたしだけが1cm4mmと答えて、先生が多数決をとってわたしが間違っていることになった回があったのだけど、あれは今でも1cm4mmの方が近かったと思っている。 2017-09-04 19:18:06

    小学校低学年で「正方形の対角線の長さをみんなで測る」授業で「正確な数値より多数決で『正しい答え』を決めた」から始まる『集団生活で必要な思考法』の話 (2ページ目)
  • ジェーン・グドール: 類人猿とヒトを分かつもの | Video on TED.com

    Go deeper into fascinating topics with original video series from TED

    ジェーン・グドール: 類人猿とヒトを分かつもの | Video on TED.com
  • 民主主義を装う権威主義 - sunaharayのブログ

    東京大学の東島雅昌先生から、『民主主義を装う権威主義-世界化する選挙独裁とその論理』をいただきました。ありがとうございます。こちらは、東島さんが英語で書かれたThe Dictator's Dilemma at the Ballot Box: Electoral Manipulation, Economic Maneuvering, and Political Order in Autocracies をもとにしているものですが、日語では権威主義の歴史に関する説明なども加筆されているということです。東島さんは、権威主義体制の研究で国際的に活躍されている比較政治学者ですが、書は権威主義体制の分析でありつつも、現在世界的に「民主主義の後退」が叫ばれる中で、民主主義国の人々にとっても極めて示唆に富むものになっていると思います。 書で扱っているのは、権威主義体制における「選挙のジレンマ」、つま

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  • 10月27日のパレスチナのニュースです。 - olivenokai’s diary

    外務省、ヨルダン川西岸で虐殺を行う入植者に警告 掲載日10/27/2023 (最終更新: 10/27/2023 at: 11:59) ラマッラ発-共に-外務・駐在員省は、東エルサレムを含むヨルダン川西岸地区占領地において、パレスチナ市民、その土地、家屋、財産、聖域に対する組織的・武装的な植民地民兵の攻撃や犯罪がエスカレートしていることを最も強い言葉で非難した。 同省はまた、日金曜日の声明で、ベン・グヴィール、スモトリッチとその一団が行っている市民に対する人種差別的植民地扇動を強く非難した。 彼女は、このような攻撃や扇動キャンペーンの最新のものは、サルフィットの北西にあるデイルイスティヤの町の近くで、パレスチナ市民を殺害し、強制送還すると脅迫するビラを配布したことであり、それは、スモトリッチがパレスチナ人に提示した選択肢の翻訳であり、パレスチナ市民の家への攻撃に加えて、ヨルダン川西岸のパレ

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  • 迫害と軟禁を逃れ、アメリカへ亡命したチベット人夫妻のドキュメンタリー | 本がすき。

    『パンと牢獄 チベット政治犯ドゥンドゥップとの亡命ノート』集英社クリエイティブ 小川真利枝/著 画像:Unsplash Daniele Salutari撮影 書によれば、日に限らず世界中のメディアにとって、チベット人の問題は扱いが難しいそうだ。強国となった中国に忖度しなければならないからだ。1949年に毛沢東率いる中国共産党中華人民共和国の建国を宣言してすぐ、「チベットを解放する」という名目で中国人民解放軍が東チベットへ侵攻した。その時からチベット人の苦悩はずっと続いている。チベットからインドへと亡命したダライ・ラマ十四世がたどり着いたダラムサラの町は、すぐにチベット人にとっての聖地となったが、近年、インド政府が政治的な立場を変えたことで、チベット難民たちの理想郷も奪われつつあるという。 世界はチベット人の問題を知らず、中国はチベット人に正しくない情報を伝えている。そんな状況を変え

  • 森本あんり 国際基督教大学教授 「変わるアメリカ・変わらないアメリカ 米大統領選」② 2016.3.2

    Anri Morimoto, Professor, International Christian University (ICU) 昨年『反知性主義:アメリカが生んだ「熱病」の正体』(新潮選書)を出した森あんり教授が、米大統領選の底流にある変化と継続について話し、記者の質問に答えた。 司会 杉田弘毅 日記者クラブ企画委員(共同通信) http://www.jnpc.or.jp/activities/news... ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 記者による会見リポート トランプ人気を生んだ米国の「反知性主義」 『反知性主義 アメリカが生んだ「熱病」の正体』というタイトルにひかれてたまたま買ったを読んで、米国政治が門外漢の私も引き込まれてしまった。その著者である森さんによる米大統領選の解説もまた、期待を裏切らないおもしろさだった。 会見はちょうど予

    森本あんり 国際基督教大学教授 「変わるアメリカ・変わらないアメリカ 米大統領選」② 2016.3.2
  • 『マクロン大統領の屈辱~ラグビー・ワールドカップ開会式』

    満員のスタッド・ド・フランスで開かれた、8日金曜日のラグビー・ワールドカップの開会式にて、ステージに上った大統領が、観客のブーイング(野次)を受けるという事態が発生。 これを受けて、ソーシャルメディアでは各政党の国会議員が素早く反応。 LFI(不服従のフランス:左派)のダニエル・オボノ議員は、「私たちの愛するフランスのエスプリが台無し。世界の恥」と、X(旧ツイッター)でコメント。 一方、RN (国民連合:右派)のステファニー・ガルジー議員は、この現象を「シンボル」と賞賛。 これに対し、EELV(緑の党)のサンドリーヌ・ルソー議員は、「この夜の出来事は忘れない」と、中道的な発言にとどめた次第。 そしてLR(共和党)のヤニック・ヌデ議員は、「マクロン第2政権の終わり。これが疲れ果てた国民の純粋な反応である」と分析。 ・・・・・ スポーツに政治を持ち込まないはず、でしたが。やっぱり不人気の大統領

    『マクロン大統領の屈辱~ラグビー・ワールドカップ開会式』
  • 「ラグビーW杯フランス大会2023 開会式」が話題!ジャック・タチオマージュ?感想・反応まとめ【開幕セレモニー】 : つぶちゃん~X(Twitter)まとめ~

    「ラグビーW杯フランス大会2023」開幕セレモニーが話題なので反応をまとめました。 動画(NHKプラス公式無料見逃し動画配信) ※放送終了後、1週間のみ無料配信 動画(Amazon公式) ※無料お試しあり ※公式X/ NHKの職員っぽくなってきた五郎丸さん \ ラグビーワールドカップ2023🏉 総合🔴&NHKプラスで配信中!https://t.co/Q4HBLDJh6P #超ラグトーク #RWC2023 #FRAvNZL pic.twitter.com/Wl9T1HvZT5 — NHKスポーツ (@nhk_sports) September 8, 2023 めっちゃ盛り上がってますがまだ開幕セレモニーです pic.twitter.com/V9jWVZnvmX — ユニオン (@union2525) September 8, 2023  開幕セレモニー始まった。ジャック・タチへのオマージ

    「ラグビーW杯フランス大会2023 開会式」が話題!ジャック・タチオマージュ?感想・反応まとめ【開幕セレモニー】 : つぶちゃん~X(Twitter)まとめ~
  • 社会を擬人化するな――ロバート・ノージック「アナーキー・国家・ユートピア」 - 誰が得するんだよこの書評

    「もし国家が存在しなかったなら、国家を発明する必要があっただろうか。国家は必要か。国家は発明されねばならないか」。 この、過激な問いかけから書はスタートする。 まず国家の役割として治安の維持・防衛があげられる。しかし、こういったサービスの提供は国家の独占事業ではなく、民間軍事会社やセコムだって、似たようなサービスを提供できる。よって無政府状態にあってはいきなり国家のような仕組みができるのではなく、まずは人々を守るサービスが自発的に始まるだろう。ノージックはそのような契約ベースの仕組みを保護協会と名付け、無政府状態では複数の保護協会が乱立するはずだと考えた。 そして、その保護協会は会員数が多ければ多いほど紛争解決機関としての競争力が高まるから、ひとたび優位にたつ保護協会が出てくると、それは競合他社を圧倒し、支配的な保護協会にまで成長する。 とはいえ、この保護協会は会員に対する外部からの侵害

    社会を擬人化するな――ロバート・ノージック「アナーキー・国家・ユートピア」 - 誰が得するんだよこの書評
  • この国はオヤジが最も人を殺す/松沢哲朗・長谷川寿一『心の進化』

    どこの国でも、どの文化でも、いちばん人を殺すのは若い男である。 年齢別の殺人率(ここでは人口100万人あたりの殺人者の比率)をグラフに描くと、10代後半から急増し20歳代前半をピークに達する。 数の多い少ないはあっても、どこの国でも、どの文化でも、このグラフは同じような形になるので、「ユニバーサル・カーブ」という名前がついたくらいである。 sourse: Eisner (2003) Long-Term Historical Trends in Violent Crime. In Crime and Justice, 30, 83–142. Eisner notes: ‘Persons convicted of assault in 1908 in Germany added for comparative reasons. Sources: Mantova: Romani 1980; Am

    この国はオヤジが最も人を殺す/松沢哲朗・長谷川寿一『心の進化』