私の尊敬しているジャーナリストの方が発信した日本の女性の地位に関する言説に少し異論があり、書きづらくはありますが、違和感を抱いた点について。その方は、今の日本における女性への差別の現状について書かれていて骨子自体は同感なのですが、しかし異論をはさみたく思ったのは、渡辺京二著「逝きし世の面影」を参照して、江戸時代の女性はもっと日本社会で生き生きと活躍していたというくだりでした。なので、女性がこんな風になったのは近代以後だというのがその方の説なのですが、これは違うのではないかと私は思うのです。 大切なことは、何をもって女性差別を比較するか、ということです。江戸時代でも確かに商家とか、農村などで生き生きと働く女性は存在したでしょう。ただ、女性の地位を考える時は、社会全体のシステムから考えないといけないのではないか、と思います。江戸時代は身分制社会でした。支配階級の侍は男ばかりです。もちろん、行政