ブックマーク / pto6.hatenablog.com (148)

  • ちょうちょ捕り - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    リベンジは早いに越したことはない。 天気がよかったので、娘を幼稚園に迎えに行くと、その足で皆で緑地公園へと出掛けた。 やはりこの前休日に来た際よりも人が少ない。日陰を見つけて芝生の上にシートを敷いた。虫かごと虫取り網を持って娘と太陽の下に飛びだしていく。前回成果があんまりだった虫取りのリベンジである。 とはいうものの既に幸先は良かった。自転車での移動中にが2匹の蝶を捕まえていたからだ。娘が誤ってかごを開け逃がしてしまっていたが、今日は捕まえられるという良い感触を最初から掴めていた。 その感触はすぐに確信に変わる。さっそく近くの花壇で、オレンジのカバマダラを捕まえられたのだ。私はその前段でかごに移す際に一匹逃がしていたので、注意深く作業を行った。無事に蓋を閉め娘にかごを渡す。初めての大物に娘は目を輝かせていた。 娘は「つぎはわたしがとる!」と言って、虫網を掴んで駆けだしていった。伸縮可能な

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    suoaei 2021/05/06
  • 丸3年 - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    このブログを始めて今日で丸3年だ。 たまに昔の記事を見返すと「こんなだったか」と驚くが、中学生が高校生になる期間だと思うと、妙に納得させられる。そら子供も大きくなるわけだ。 3年前は「アンパンマン」とさえうまく発音できなかった娘。今では折り紙の折り方を教えてくれて、私とチャンネル争いをするまでになった。 子供の日の今日は、あいにくの雨で一日中家にいたのだが、お気に入りのミニーちゃんのドレスに身を包み、髪を結って耳をつくり、そこにリボンのついたヘアゴムを止めて着飾っていた。 (ご飯をべる時以外)何をやるにもルンルンな彼女は、家の中でも明るい声を上げ、その場を華やかにしてくれていた。我が家のムードメーカーも今年でもう5歳。大きくなったものである。 そして去年生まれた息子は、当然ながら3年前は姿形もなかった。それが今では縦横無尽に床の上を這いずり周り、目につくもの全てに齧り付いている。 お姉ち

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    suoaei 2021/05/05
  • 近場でのお出かけ - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    緊急事態を受け2泊3日の旅行をキャンセルした。 とは言え、あまりに虚しいので、とっていたレンタカーを一日だけ別用途で使うことにした。 近場の小さな農場を3ヶ月ぶりに訪れることにした。ビニールハウスでは再びイチゴ狩りができた。ただシーズンの終わりだからか、いくつかのイチゴは甘くなかった。前回はもの凄く美味しかったので、品種だけでなく、摘む時期によってもこんなにも味が変わるのかと、またひとつ勉強になった。 ビニールハウスの脇にあるミニ牧場では、娘は甲斐甲斐しくウサギに餌を与えていた。ウサギは満腹だったのか、娘の差し出す餌への反応は芳しくなかった。それでも娘は根気強く声をかけ続け、購入した餌をすべてあげ終えていた。 途中、娘よりも小さな女の子が近寄ってくると、気前よく餌を分けてあげ、こうやってあげるんだよ、と優しく教えてあげていた。娘も小さい頃には見知らぬお姉さんから餌を分けて貰ったことがあった

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    suoaei 2021/05/04
  • みんなで絵を描こう - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    卓を囲んで、皆で画用紙に向き合った。 卓の中央にはテーマに選んだ花瓶が、そのまわりにはクレヨンや絵の具、色鉛筆などが散在している。皆が銘々に、それぞれの自由なやり方で、画用紙に対象を描いていく。 草花をまじまじと見るのは興味深かった。普段なら派手な花びらにばかり目が行きがちだが、改めて見つめてみると目を惹くのはそれ以外の部分だ。 ひまわりの中心部は茶色い触角のようなものが密集していて、凝視しているとその中心部に引きずり込まれるかのように感じた。また茎には細かい産毛がびっしりと生えており、遠目でみると埃をかぶっているように白みがかっていた。 薔薇は花びらの織りなす造形に芸術性を感じさせられた。女性が好きなのも納得できる。自然にこれがつくられるのだから、地球は偉大なるアーティストだ。茎にある鋭い棘もミステリアスさを増幅させ、孤高の花という印象を更に高めている。ただ顔を近づけると甘い香りに捕

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    suoaei 2021/05/01
    ダディ・ブラウンさん、いつもありがとうございます。
  • ささやかなる誕生祝い - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    今年もの誕生日がやってきた。 去年は「コロナのせいで今までで一番質素なお祝い」だなんて言っていたが、一年後もそんな状況が続いているだなんて思ってもみなかった。 そんなわけで、今年も自粛要請の中での誕生日を過ごした。それでも少なからずお祝い感を出そうと、近所にある上品な蕎麦屋で贅沢なランチべた。銘々好きな蕎麦に鴨ロース、はデザートにスフレとシャーベットまで頼んでいた。 帰りにはニトリによって寝室の照明と枕を新調した。どちらも気に入ったものがみつかり、帰って設置すると寝室がグレードアップしたように感じた。 娘が幼稚園から帰ると、ふたりで自転車に乗り、隣町のケーキ屋と花屋に向かった。帰宅すると、娘は花束をに差し出し、王子様のように膝をついた。どこで覚えたのだろうか。は娘の選んだ花々をとても嬉しそうに花瓶にうつして飾っていた。 その後、明日から雨が続くことも考慮して、皆で緑地公園へと遊

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    suoaei 2021/05/01
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  • 英国諜報員アシェンデン - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    モームの『英国諜報員アシェンデン』を読了。 新訳版のモーム作品を3作連続で読んだ。ただ、今作では少しだけ肩透かしをくらうこととなった。 実際に諜報員として働いた経験を持つサマセット・モーム。そんな彼が描く諜報員の物語は、ゆえに007等に見られるドラマティックな展開は皆無で、実態に則したリアリティ溢れる内容となっている。 つまり徹底して話が地味なのだ。大した役職にない一諜報員が関わるのはミッションの一端に過ぎない。諜報活動の全貌もわからなければ、真の狙いも定かではない。そんな中、出された指示に従いただただ任務につく。まるで司令官の駒のように。 そんなリアリティがある内容だからこそ、私としては少々退屈をさせられてしまった。連作短篇集だが、一冊を通して主軸を担う『謎』や『目的』があるわけではないので、なかなかページを捲るペースが上がってこないのであった。 就職後の仕事と違い、アルバイトの仕事に全

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    suoaei 2021/04/29
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  • ゴールデンな前夜 - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    ついに辿り着いた。 正月休みの終わりから歩みを始めた私たちの長い旅路。次の目的地として目指していたオアシスが、そう、ゴールデンウィークだ。 夢にまで見た景色が今眼前に広がっている。思っていたよりも広大だ。今年は11連休となった。緊急事態宣言下であるので大したことはできないだろうが、それでも、仕事から離れられ、家族と一緒に過ごせるだけで充分に喜びを感じられる。 大型連休に入る際の常だが、まだよく実感が持てていない。きっと明日の朝、目覚ましなしで目覚めた際に、改めてその喜びを噛み締めるのだろう。 そしてこれも毎度お馴染みのことだが、この連休をできる限り有意義に過ごそうと意気込んでいる。もたくさん読みたいし、映画もドラマも楽しみたい。肉体改造にも取り組みたいし、もちろん家族とも思い出を作りたい。期待に胸は高まるばかりだ。 あいにく天気の悪い日も多いようだが、それでも私の心は晴れ渡っているのだろ

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    suoaei 2021/04/28
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  • 液体と固体と肉体 - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    浴槽の中の息子が、研究者の表情を浮かべている。 彼は先程から何度も繰り返し同じ行動をとっている。お湯をパチャパチャとはじき、その後同じようにバスタブの側面をバンバンと叩くのだ。 手を押し返す抵抗の違いを興味深く思っているのだろう。もしかしたら、この透明なふにゃふにゃしたものと、この白くてツルツルしたものは、性質の違うものなのではないか。息子は自らの実験を繰り返し、そんな真相に近づきつつあるように思えた。 妙に真剣な息子の表情が面白かった。私は彼を支えながら、彼の実験に辛抱づよく付き合っていた。 すると今度は、その手で自分の身体にも触り始めた。パチャパチャ、バシバシ、そしてペタペタ。 これはお湯よりもバスタブの触感に近いが、それでもどこか違う。暖かいし、少し弾力がある。硬さをもつもののグループではあると思われるが、その中でも様々な種類があるのかもしれない。 流石にそんなところまでは、息子は考

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    suoaei 2021/04/26
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  • 月曜だと思ったら - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    月曜だと思って目覚めたら、日曜日であった。 寝ぼけた頭に安堵と喜びがじわじわと広がっていく。それなら、まだもう少し寝られるじゃないか。 そもそもなぜ今朝を月曜の朝だと錯覚したのか。それは昨日の過ごし方がいかにも『日曜日的』だったからだと思われる。我が家は土曜日にお出かけをして、日曜日は家で休息をとるパターンが多い。それゆえ、家でゆったりと過ごした昨日を、日曜日だと勘違いしたのではないかと推察される。 なんにせよ、月曜と日曜には雲泥の差がある。これについては多くの先人たちが多様な表現でもって言い表しているので、今更ながらここに記すことは慎みたい。とはいえ、なんだか休みが一日延びたようで、お得に感じる目覚めだったわけである。 しかし、時間の流れというものは残酷で、あっという間に物の月曜が目前に迫った。明日の朝目を覚ませば、紛うことなき月曜日がそこにはあるのだ。 なんとも短い延命期間であった。

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    suoaei 2021/04/25
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  • タコ以下の知性 - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    少し前にから聞いた話だが、2、3歳までの子供はタコ以下の知性らしい。それを聞いて以来、息子のおバカな行動を目にする度そのことを思い出す。 タコはなかなか知性が高い動物らしいのだが、「このタコ!」という悪口があるくらいだから、人間にはあまり上等な生物とは見なされていないだろう。 私の中でのタコの評価もそうであるので、ゆえに、それ以下の知性だという息子を見ていると、なにをしでかしても妙に納得してしまうのであった。 目の前の玩具に惹かれては手に取り口に入れる。むしゃむしゃべるが味がしないので、バンバンと叩きはじめる。その反動で自らが体勢を崩し、後ろに倒れる。そこにあった柵にぶつかり、なんだこれはとそちらに興味を移す。今度はその柵に、寄り掛かりながらハムハムと齧り付く。手を滑らせ尻をつき、落ちてた玩具を踏みつけて、びえーんと泣き出す。なるほど、確かにタコ以下かもしれない。 彼は欲望の赴くまま

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    suoaei 2021/04/24
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  • 自慢の娘 - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    今日は親としてとても嬉しいことがあった。 が娘の同級生のママからお礼を言われたのだ。娘がその同級生の子に優しい振る舞いをしたらしい。 その子はクラス替えがあって以降、新しいクラスに入るのが嫌で、よく泣くようになった。そんなとき娘が彼女に寄り添い、手を取り優しく励ましながら、クラスへと連れて行っているとのことなのだ。 そのような娘の優しい行動を、自分の子伝いに聞いたママさんが、わざわざのところまで来てお礼を言ってきたらしい。おかげでその子は幼稚園に通えており、とても助かっているのだと。 私はその話を聞いてすぐに、娘が甲斐甲斐しく友達の手を引き、教室へと連れて行くその姿が目に浮かんだ。彼女は私たち家族に対しても妙に優しく、母性あふれる言動をよく取っているからだ。 私はとても嬉しいと同時に、娘をたまらなく愛おしく感じた。なんとも誇らしい。一番大切にしてほしいと考える『思いやり』の部分が、こう

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    suoaei 2021/04/23
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  • ジゴロとジゴレット - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    サマセット・モーム『ジゴロとジゴレット』読了。 私の中で突如始まったモームブーム。この作品を読み終えても尚、その勢いは留まることを知らない。 今作は訳者による短編小説の傑作選。前評判通り、一篇の駄作もなく、どれも素晴らしい作品であった。退屈するまもないうちに一気に読了。モームは短編の名手とも言われる。その冠に偽り無しだ。 モームの文体は相変わらず私好みで、短編作品でも物語の面白さは冴え渡っていた。ただ二作目にしてモーム最大の美点は、その人物描写の巧みさにあるのではないかと思うに至った。 とにかく人物が生き生きと描かれている。微妙な所作や醸し出す雰囲気等を文章化するのが抜群に上手く、それによりありありと人物が想像できる。あの繊細なニュアンスは文章ではこのように表現すればよかったのか、と何度も気づきを与えられた。 特に女性を描くのがうまい。やはり良い作家ほど人間観察力が優れているのだろう。物語

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    suoaei 2021/04/23
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  • いない世界 - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    「◯◯くんとパパ、どっちとケッコンしよう」 就寝前、娘がベッドの上でそのようなことを口にした。大きくなった弟とパパ、将来どっちと結婚しようかと、最近悩んでいるらしい。 「こうたいごうたいでケッコンすればいいか」 そんなことまで言い出すあたり、娘はまだ結婚というものをあまり良く理解できていないらしい。それでも結婚は大好きな男の人とするもの、ということだけはわかっているらしく、その候補に私と弟がでてくるのはとても嬉しいのであった。 「…でも、わたしがおばあちゃんになったら、パパとママはいないんだって…」 将来に想いを馳せたことで、娘はなにかを思い出したのか、いきなりそんなことを呟いた。きっといつかの会話でからそのようなことを教わったのであろう。紛れもない事実だ。娘がおばあちゃんになる頃には、私とはおそらくもうこの世にはいない。 私が何か声を掛けようとしていると、娘は自分で呟いた言葉を噛み締

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    suoaei 2021/04/21
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  • 楽しみな今期ドラマ3選 - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    今期ドラマの観る対象がだいたい決まってきた。 まだ全てを観たわけではないが、期待度の高いものから観ているので、だいたいは決まりであろう。一話を観ただけではあるのだが、それだけでもある程度は選別ができるものだね、とと話していた。 まず一番注目しているのが『大豆田とわ子と三人の元夫』である。脚家の坂元裕二の作品はこれまでも私たち好みのものが多かった。やはり脚が抜群に秀逸だ。一話の冒頭からぐいぐいと引き込まれ、これ以上の『第一話』は作れないのでは、と思えるほどの出来に思えた。登場人物たちのセリフも魅力的で、芸術性と大衆性を高い次元で両立している。 次点に注目するのが『コントが始まる』である。菅田将暉と有村架純という大好きな俳優たちが主役をはっている時点で楽しみにしていたのだが、実際に一話を観てさらに期待値があがった。物語の展開や構成からは余裕を感じ、「絶対に後悔させへんからまあ観ててや」と

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    suoaei 2021/04/19
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  • プリンセス風 - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    昨夜はカメラアプリで遊んでいた。 『ToonMe』というアプリで、人物の写真を取り込むと、ディズニー風のキャラに加工してくれる。 ちょっと前にテレビで取り上げられ、我が家でも少し遊んでいたのだが、そのときはサーバーが混雑しており思うようにできなかった。アプリも消していたのだが、昨夜ふいに思い出し、娘がやりたがったので再インストールして遊んでみた。 いろいろな写真で試したが、正面を向いた写真ならばなかなかの再現度だった。このアプリにより、私は『どうやっても自分が主人公にはなれない』という事実を改めて痛感させられた。 できるだけ写りのよい写真を選んでみても、どうやっても王子様風にはならないのだ。どの写真も野暮ったいアナ雪のクリストフのようなキャラクターが映し出されるのであった。 娘もなかなかに苦戦した。彼女自身もプリンセスのような風貌が映し出されるのを期待していたのだろうが、どの写真を使っても

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    suoaei 2021/04/19
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  • 月と六ペンス - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    サマセット・モームの『月と六ペンス』を読了。 「この作者は他の作品も読まなきゃならない」。この作品を半分ほど読み終えた私は、そんな思いに駆られ、すぐさま同じ訳者により手掛けられた2作品を注文した。モーム作品を読むのは初めてだったが、すぐさま彼の虜となったわけだ。 私とこのとの出会いは小さな書店であった。その中のことさら小さな一角に、海外文庫コーナーが設けられていた。そこに平積みされていたこの一冊。今読まなければならないという思いが、なぜか胸に沸き上がってきたのである。 読み始めからその平明な文体に好感を持つ。比喩や表現もウィットに富んでおり、人物の描き方も巧みで、物語にも惹き込まれていく。その総合力の高さに、私はまたひとり好きな作家に巡り会えたのだということを悟るにいたった。 調べてみると、やはり偉大なる作家であった。おそらくはこれまでもその名を見たことがあっただろう。それでも私の印象に

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    suoaei 2021/04/17
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  • 飛沫をあげろ - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    眼下で娘が手を振っている。 私ともガラス越しに手を振り返す。ニッコリと笑った娘は前を向き、再びプールを見つめる。順番が回ってくる。彼女はプールサイドに立ち、大きくジャンプする。着水と同時に派手な飛沫が上がる。 娘がプールスクールを辞めたいと言い出したのは2週間ほど前のことだ。水の中で目を開けるのが怖いらしく、そのレッスンをするのが嫌で、スイミングに行きたくないと言ってきたのだ。 まだ通い始めて4ヶ月。だんだんと水の中で出来ることが増えてきたところだった。曰く、多くの子も躓きやすいポイントらしい。確かに目を開けるのは不安だよな。嫌がる娘に私は同情心を抱いた。 無理じいするつもりもない。娘が当に嫌なら辞めさせようかと、とも話をはじめた。ただ難関にぶつかるたびに簡単に逃げるような子にはなって欲しくない。できればなんとか克服して通い続けて欲しい、というのが我々の共通の願いであった。 そこで

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    suoaei 2021/04/16
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  • むむむ - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    なんだこれ? たべれるのかな?はむはむ。 むりだった。かめないや。あじもへんだし。 あ、あれはどうだろ。 はむむ。こっちはかたい。あじがしない。 なにかたべられるものはないかなあ。 あれ、これなんだかはがせる。よしよし。 なんかやわらかい。かみやすい。いけそう。 え、ああ…。 ママにとられちゃった。ざんねん。 ん、あれ、パパがこっちみてる。 なんかわらってる。へへへ。うれしいな。 ああ、こっちきたきた。だっこ、だっこ。 きゃっきゃっ。ん、あ、ええ…。 はあ、もうおしまいか、あっちいっちゃった。 じゃあ、おねえちゃんのとこいこっかな。 またわらってる。いつもたのしそうだなあ。 あれれ、いっちゃった…。 パパとあそぶのか。はあ、ざんねん。 なら、たつれんしゅうでも、しとこうかな。 きのうよりも、ながくたちたいな。 ここがつかまりやすいんだ。ほっ。 ふんふん。だいぶできるようになった。 でも、み

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    suoaei 2021/04/15
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  • キッズルームでの交流 - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    今日はリフレッシュ曜日。 在宅勤務を定時で上がると、マンションの1階にあるキッズルームに娘を連れて行った。 貸切を期待していたが先客がいた。ただ窓から覗く限りではその姿には見覚えがあった。扉を開くと娘を呼ぶ声があがる。やはり娘の同級生の家族であった。友人人はいないものの、顔見知りであるお姉ちゃんとお母さんが娘を歓迎してくれた。 娘がさっそく遊びの輪に駆けて行ったので、私も軽く挨拶をしながら入室した。部屋にはもう一組の親子もおり、二組は親子共々仲が良いようで、子供たちは一緒に遊び、ママたちもお喋りに興じていた。 私は、まあここら辺かな、という位置に陣取り、娘が他のふたりと一緒になって遊ぶ姿をしばし眺めていた。ママさん達の会話を邪魔するでもなく、子供達を静かに見守っていよう。そう思っていた。 しかし子供たちの最年長にあたる女の子(小学2年生らしい)が、いきなり私にジャンケンを仕掛けてきた。な

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    suoaei 2021/04/14
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  • 朝読書 - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    在宅勤務の良さは数多くある。 その中でも、最もわかりやすいのは通勤時間がなくなることだろう。朝はゆっくりと起きられるし、仮に残業したとしても就寝時間に支障が出ない。 最近では仕事前に読書をするという優雅な朝を送っている。大好きなことで一日が始められると、仕事に向かうだけの英気を養うことができるのだった。 静謐な気持ちの中で活字を目でなぞることにより、寝起きのちりぢりな回路がゆっくりと正しく頭の中で繋がっていく感覚は、これぞ最良の目覚めだ、という喜びを感じさせてくれるのであった。 また読書をするコンディションという意味でも、朝読書は最高の状態なのではないか。読まれる側のも、こんなベストな心持ちで読んでもらえて、さぞ嬉しいに違いない。文章が澱みなく身体に入ってきて、作品の良さを最大限味わうことができるのだ。 在宅勤務の良い面は他にも様々あるが、ここ数日は朝の読書時にそのような喜びを実感してい

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    suoaei 2021/04/13
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