アメリカがサッカーに目覚めつつある 【金子達仁】2010年06月29日 2点を取られてから1点を返した1―2と、一度追いついて突き放された1―2とでは、同じスコアでも意味合いがまるで違う。特に、先制逃げきり率がきわめて高いウルグアイのようなチームが相手となれば、なおさらである。 韓国は立派だった。GKのミスで先制点を奪われた段階で、彼らの命運はほぼ尽きたとわたしは思った。案の定、リードを奪ってからのウルグアイは、釈迦(しゃか)のように振る舞い始めた。暴れるなら好きなだけ暴れるがいい。わたしの掌(てのひら)の上であれば――。 だが、彼らが相手にしていたのは中国産の猿ではなかった。鋭い牙を持つ韓国産の虎だった。主導権を渡したフリをしていたつもりだったウルグアイは、いつしか本当に主導権を奪われていた。パワープレーから許した同点弾は、経験豊富な彼らにとっても強烈なショックだったはずである。 スアレ