時刻表地図の仙台あたりを見ると、東北本線からちょっとだけ延びた小さな路線が見つかる。岩切-新利府-利府の3駅を結ぶ路線は「利府支線」または「利府」線と呼ばれている。なんでこんなところに短い線路ができたのだろう、と不思議に思うが、実はここ、かつては東北本線だった。今から約120年前、東北本線はここ利府駅を経由して松島を結んでいた。しかし、輸送量の増加に対応するために、現在の東北本線のルートが建設された。その後、旧線は利府から北を廃止して現在の形になったのだ。 たった4.2kmの車窓のほとんどは、東北新幹線の車両基地 仙台駅。長大な東北本線下りホームに、2両編成の電車が停まっている。行き先は「利府」。旅人には耳慣れない駅名かもしれないが、この電車の車窓こそ、鉄道ファンにはおススメである。仙台駅から岩切駅までは約10分。岩切で東北本線と別れたあと、利府支線は東北新幹線の車両基地の真横を通るからだ