無数のケミカルライトが波打つように弧を描くライブ会場の舞台で、身長1メートル48の小さな体が一際目を引く。鳴りやまない「リカコ!!」の大声援に、気仙沼市出身の小学6年、佐々木莉佳子さん(12)は満面の笑みで応えた。「モーニング娘。」などが所属するアイドル集団「ハロー!プロジェクト」から芸能界デビューを目指す研修生28人の最年少メンバーだ。 8日に東京で開かれたライブで、1000人以上のファンの前で歌やダンスを披露した。曲の間には全身から汗が噴き出し、息が上がるが、笑顔は絶やさない。「楽しくて仕方ないから自然に」笑みがこぼれる。 震災がなければ、普通の少女のままだったかもしれない。あの日、市内の高台から、家々をのみ込む大津波を目撃した。家族7人で暮らしていた自宅や、父・利重さん(49)が営む水産加工会社も流された。 みなし仮設住宅などでの生活が続く中、一昨年10月、地元の支援団体が、震災で傷