◇未来のトップ選手育成 長野・富士見高原で8月上旬に開かれた高校の長距離選手を対象にした日本陸連の強化合宿で、元富士通の駅伝選手だった帯刀(おびなた)秀幸さん(32)に出会った。高校生と一緒に走りながらハッパをかける姿に驚き、話を聞いた。富士通時代、契約社員という立場を利用して千葉大に通い、今春、地元・長野の私立上田西高で念願の教職に就いたという。 長野・大町高から亜大に進んだ。「陸上の楽しさ、喜びを教えられるのは教職しかないと思った」。亜大では教員免許の取得を目指した。だが、箱根駅伝での活躍が目にとまり、99年、富士通へ。夢をあきらめきれなかった帯刀さんは「将来のために勉強したかった」と契約社員としての道を選んだ。 富士通は正社員雇用が基本だが、出身大学で練習を続ける短距離選手を中心に契約社員も選べた。OBでは百メートル日本記録保持者の伊東浩司さんや日本陸連男子短距離部長の苅部俊二さん、