牧草の検査を行う16都県 牛の放牧や、牧草を牛に与えることを禁止する地域を近く設定する方針を、農林水産省が決めた。放射能で汚染された牧草を食べた牛の原乳や肉から基準以上の放射性物質が検出されることを防ぐための措置。すでに福島県や千葉県の一部では、牧草から放牧禁止の基準を大幅に超える放射性物質が検出されている。 農水省によると、汚染された牧草を食べた場合、乳牛は放射性ヨウ素がすぐに原乳に混じる。放射性ヨウ素は半減期が短いため肉牛は成長の過程で薄まるが、半減期が30年と長い放射性セシウムは筋肉などに残ることがわかっている。 このため農水省は4月中旬、牧草1キログラムあたりの基準を、乳牛の場合で放射性ヨウ素は70ベクレル、放射性セシウムは300ベクレルと設定。肉牛は放射性セシウムだけ300ベクレルとした。基準は、牧草の放射性物質が原乳や牛肉に移る割合を調べた国際原子力機関(IAEA)のデー