サッカー・ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会で日本代表の「食」を支えた専属シェフ、西芳照(よしてる)さん(49)が、その舞台裏を記録した「サムライブルーの料理人」(白水社)を出版した。 西さんは福島県南相馬市出身。印税は東日本大震災で大きな被害を受けた同市に全額寄付する。 日本代表も合宿する同県楢葉町のトレーニングセンター「Jヴィレッジ」の総料理長だった縁で、2004年から代表の海外遠征に同行。昨年のW杯では選手が力を発揮しやすいメニュー作りに専心し、活躍を支えた。中村俊輔選手らメンバーの信頼も厚く、大会終了後にはサインを寄せ書きしたユニホームを贈られた。 こうしたエピソードと南ア大会前後の詳細なメニューを原稿にまとめ、ゲラを確認し終えた直後に地震が発生。実家が福島第一原発から20キロ圏内にあるため、翌日にはいわき市に避難し、現在は東京の知人宅に身を寄せる。