ミナミボウル、裏。小さな川がトタンの錆で真っ赤に染まっていた。この日郡山は風が強くて、トタンが風に煽られて紙みたいにひらめいていた。ぱきっ、ばきり、音は全然紙のそれとは違ったけれど。正面。3月11日14:46という時間。中には人がいたんだろうな。怖かっただろうな。波打つアスファルト。一見無傷のように見えても、傷跡を持つ建物も多い。「ヤネキケン ヨルナ!! くずれます。」の文字。こんな風にダンボールで危険を訴える貼り紙もあちらこちらに。建物トリアージで「要注意」や「危険」になっていても、中では普通に人が働いているビルもあった。父が震災後、建物倒壊危険度検査にも携わったのだけれど、「危険」の貼り紙を貼られて「俺の家に勝手にそんな事をするな」と怒り出す人も中には居たそう。福島は花の季節。さくら通りと内環状線の交差点。 郡山の高校生は殆どと言って良いほどマスクをしていなかった。 小学生は登下校時は