【ローマ=南島信也】イタリアの国営テレビRAIの人気サッカー番組が、刑務所に服役しているマフィアのボスらへのメッセージをひそかに伝達するために利用されていたことが検察官の証言によって明らかになった。日本でも暴力団幹部がテレビ中継に映る大相撲の土俵下の席で観戦して服役中の仲間を励ましていたが、洋の東西を問わず犯罪組織が考えることは似ているようだ。 ANSA通信が伝えた。マフィア捜査班の前主任検事で、現在はアンコーナ地検トップのエンツォ・マクリー氏が5月、伊議会の反マフィア委員会で証言し、今月20日、その議事録が開示された。 毎週日曜日にセリエAの試合を生中継し、解説者や有名人らがスタジオからコメントするRAIの番組「クエリ・ケ・イル・カルチョ」で、画面下にテロップで流れる視聴者からのメッセージの中にボスへのものが含まれていた。 例えば「パオロ、万事うまくいっている」という一見シンプルな