昔、テレビのクイズ番組の構成をしていた時に、その会議で「バカチョンカメラの語源って何だろう?」という話題になった。その番組はよく「語源」をクイズの問題にしていて、例えば「バカチョンカメラのチョンって何のこと?」というのが問題にならないだろうか、と考えたのだ。その時、誰かが「チョンというのは朝鮮人に対する蔑称だからテレビでは使えないよ。バカチョンカメラというのは、バカでも朝鮮人でも使える簡単なカメラという意味なんだ」と言った。それで、みんな一度は「ああ、そうなんだ。じゃあダメか」となったのだけれど、しかしその発言だけでは不確かだったので、とりあえずちゃんと調べて裏を取ってみようということになった。それで、当時はインターネットがあまり普及してなかったから、図書館に行って文献を当たったり、国語学者の先生に取材して聞いてみた。すると、そこで分かった答は意外なものだった。「チョン」というのは、実は朝
はじめに最近クリエイター志望の若者と話す機会が多いのだけれど、そこで気づかされるのは、彼らの中に過去の映画(特に80年代以前の作品)を見たことのあるという人が、驚くほど少ないことだ。例えば「キューブリックをどう思う?」と聞くと、「キューブリックって誰ですか?」という答えが返ってくる。「デ・ニーロの映画で何が一番好き?」と聞くと、「見たことがありません」と言われてしまう。「ではきみは、昔の映画を見たことがあるの?」と聞くと、たいていが「テレビでやっていたものくらいなら……」という答えしか返ってこない。 今の若い人の間では、映画を体系的にとらえようという人は少ないようだ。見るのは専ら近年の話題作ばかりで、歴史を辿ってみたり、系譜をひもといてジャンルごと理解しようとする人はほとんどいない。これは、ちょっと由々しき問題だと思わされた。映画は、もう長いこと(20世紀の早い時期から)エンターテインメン
ようこそゲストさん ブログトップ 記事一覧 ログイン無料ブログ開設 The Red Diptych
マイケル・ジャクソンの映画『THIS IS IT』を見た。とても面白かったので2回見た。1回目は、主にマイケル中心に見た。その一挙手一投足を見逃さないよう、釘付けになって見た。2回目は、今度は脇の人たちを中心に見た。マイケルの周りのスタッフ・出演者たちが、マイケルにどういう接し方をしているのか――それを見ることによって、彼らに反射したマイケル・ジャクソンという人物の現場の顔、フィルムには写らなかった裏の顔を浮かび上がらせようとした。周囲の人たちに投影されたマイケルのシルエットを見ることによって、逆にマイケルの人となりに迫ろうとしたのだ。 非常に興味深いのは、映画を通して(コンサートのリハーサルを通して)、周囲の人たちの反応が変化していっていることだ。おそらく、このコンサートに集結したほとんどのスタッフ・出演者(ミュージシャン、ダンサー)は、初めは観光気分だったと思う。物見遊山だった。マイケ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く