名古屋市で高層マンション建設をめぐる紛争が相次いでいる。堅調な需要を背景に開発を進める業者に対し、建設に反対する住民側の打てる手は意外に少ない。市の対応も、話し合いを呼び掛けるにとどまっている。 一帯はものものしい雰囲気 「えっ、なぜ」。瑞穂区の薬剤師の男性(61)が愛知県警に逮捕されたのは、昨年10月。自宅前の15階建てマンション建設に抗議していて、現場監督にけがをさせた容疑だった。暴行罪で起訴され、公判中だ。 「突き飛ばされ、徐行のダンプに背中が当たった」という監督側と、「相手に触った覚えもない」という薬剤師の主張は大きく食い違う。工事はその後も続き、「ギャラリー公開中」の看板も出ている。 男性は建設反対運動のリーダー格だった。住民側は「裁判中マンション買いますか」といったのぼりや横断幕で対抗。毎朝、街頭宣伝をして、一帯はものものしい雰囲気になっている。 周辺は高さ規制の厳しい都市計画