東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)でテロなどを防ぐためのセキュリティー対策に不備があった。東電のガナバンス(企業統治)は十分機能していない。 私も新潟県知事当時、東電から「初心に帰って」や「一から出直す」という言葉を何度も聞いた。しかし、結果として果たされたことがない。こと東電に関しては、こうしたことが起こる構造を問わなければ問題は解決しない。 同じことを繰り返す東電 そもそも福島第1原発事故についても、長期予測では巨大地震があれば津波の遡上(そじょう)高が15メートルを超える可能性があるという結果が事前に出ていた。防潮堤は大きな費用がかかるためすぐには決断できなかったのかもしれない。しかし、全電源喪失を防ぐためには発電機と配電盤の設置場所を高くすればよかった。こちらは防潮堤ほどは費用がかからない。にもかかわらずやらなかった。 東電の内部で、なぜやらなかったか、という解析は十分なされていない。
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