渡辺直人は、古巣のファンからの声援に手を上げて応えた。彼の野球を巡る冒険は、まだまだ終わることなく続いていく。 渡辺直人のグラブは相当、使い込まれている。茶色が黒っぽく変色した、かなりの年季モノだ。プロ野球選手はもちろんのこと、今時、高校球児でもこんなボロボロのグラブは使わないだろう。学校の体育倉庫で山積みにされた、授業で使うソフトボール用のグラブ。限りなくあの色に近い。 「渡辺 2」の刺繍は、'07年の楽天入団時に入れたものだという。6年間ずっと、同じグラブを使い続けている。 「かなり、ボロボロになっちゃいましたよね。手入れはちゃんとしていますよ。やっぱり、愛着がありますから。自分、モノにもチームにも、愛着が湧きやすいんです」 最も愛着がある場所。それはプロ入り後の4年間、命懸けでプレーした仙台だった。 敵地にもかかわらず、仙台に鳴り響いたファンの歓声。 2013年7月12日、Kスタ宮城
![2度のトレードを経て西武入りの32歳。ジャーニーマン・渡辺直人の“愛着”。(加藤弘士)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/dd00d5a0b37c16e99ecbdacd096794e5a7a2d67f/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnumber.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Fb%2F0%2F-%2Fimg_b0ee0d9e43d42083fb6b52d12dd3ba9c256755.jpg)