「これで優勝を狙える戦力になった」 ロッテの伊東勤監督は、昨年、西武の指揮官時代に育てた愛弟子をFAで獲得できた喜びを、このように言い表した。 当然、涌井秀章にも期する思いがあった。 「自分の気持ちを入れ直すためにも、新天地でやり直したかった」 西武時代の2012年から2年間、先発として機能できなかった自分を悔いるように、ロッテでの再起を誓っていた。 しかし、現在をもって涌井に奮闘が見られないのは、数字を見ても明らかだ。 3勝7敗、防御率はリーグワースト2位の4.22。現在、借金8の4位で、最下位とのゲーム差が3(7月6日現在)と不振に喘ぐロッテにおいて、涌井のパフォーマンスは「優勝請負人」には程遠く、それどころか戦犯扱いされてもおかしくないのだ。 「何でああなるか分からない」と伊東監督も首をひねる。 ローテーションの柱として迎えた今シーズンは、初登板から2連敗。それでも3戦目には、古巣・