農林水産省は4日、鳥取県栽培漁業協会(同県湯梨浜町)が水槽で育てていたクロアワビの種苗が大量に死に、遺伝子検査などでキセノハリオチス感染症と確認した、と発表した。国内での確認は初めて。同協会は同じ水槽の種苗約1万3千個を焼却処分した。農水省は同県からの種苗の出荷を止め、全国調査を実施する。 農水省によると、同感染症は水を通して感染が広がる。ほかの魚介類は感染せず、感染したアワビを食べても人には影響がないという。 同協会は昨年9月ごろに孵化(ふか)したクロアワビの種苗約12万個を育てており、今年9月ごろ放流する予定だった。昨年12月ごろから一つの水槽で通常の3倍程度の数の種苗が死んだため、検査を実施した。アワビの種苗は全国で年間約2500万個生産されているという。