奈良市の平城宮跡の南東隅に、8世紀(奈良時代)の庭園が復元されている。自然の風景をモチーフとする日本庭園の原型とされる国特別名勝、東院庭園だ。中心にあるのは、小石を敷き詰めた浅い池。底から岸まで緩やかに立ち上がる州浜が、岸を巡る。平面形は複雑なカーブが連続し、岬の先端には景石が置かれている。石組みの流路「曲水」の辺に立つと、ここで供宴や儀式に興じた古代の貴人らの姿がしのばれる。復元の際には遺構
米IBMが“王者”の地位を奪還した。世界で稼働するスーパーコンピュータの実行性能を集計する「TOP500プロジェクト」が2012年6月に発表した最新ランキングで、米IBM製のスパコンが3年ぶりに首位となった。トップ10のうち五つをIBM製が占めた(表)。 返り咲きの原動力となったのが、省電力を重視したIBMのスパコン新製品「BlueGene/Q」である。演算機能とネットワーク機能を集積したプロセッサ「Power BQC 16C」を採用。実行性能16.32ペタフロップスで首位を獲得した「Sequoia」の場合、消費電力当たりの実行性能は2.07ギガフロップス/Wで、富士通が開発した「京」の2倍以上だ。 だが、IBMがこのまま首位の座を維持するのは容易ではない。現行機の100倍となる1000ペタ、つまりエクサフロップスを目指す研究開発では、米インテルや米エヌビディアといったプロセッサ企業が主導
1954年生まれ。78年早稲田大学政治経済学部卒業後、ダイヤモンド社入社。「週刊ダイヤモンド」編集長などを経て現職。著書に『複雑系の選択』『めちゃくちゃわかるよ!経済学』(ダイヤモンド社)『浦安図書館を支える人びと』(日本図書館協会)など。 かの残響、清冽なり――本田美奈子.と日本のポピュラー音楽史 日本のポピュラー音楽の誕生をレコード産業の創始と同時だと考えると、1910年代にさかのぼる。この連載では、日本の音楽史100年を、たった20年の間に多様なポピュラー音楽の稜線を駆け抜けた本田美奈子さんの音楽家人生を軸にしてたどっていく。 バックナンバー一覧 清冽な歌唱の記録を残して本田美奈子.さんが亡くなったのは2005年11月6日である。38歳だった。日本のポピュラー音楽、そして音楽ビジネスの100年をたどるために資料をたどっていたとき、彼女の歌手人生の航跡に出会った。アイドル歌手としてデビ
1954年生まれ。78年早稲田大学政治経済学部卒業後、ダイヤモンド社入社。「週刊ダイヤモンド」編集長などを経て現職。著書に『複雑系の選択』『めちゃくちゃわかるよ!経済学』(ダイヤモンド社)『浦安図書館を支える人びと』(日本図書館協会)など。 かの残響、清冽なり――本田美奈子.と日本のポピュラー音楽史 日本のポピュラー音楽の誕生をレコード産業の創始と同時だと考えると、1910年代にさかのぼる。この連載では、日本の音楽史100年を、たった20年の間に多様なポピュラー音楽の稜線を駆け抜けた本田美奈子さんの音楽家人生を軸にしてたどっていく。 バックナンバー一覧 驚愕し、狼狽した「奇跡の歌声」 ちょうど20年前に帝国劇場で本田美奈子さんの歌(「ミス・サイゴン」)を初めて聞いたとき、感動ではなく驚愕し、狼狽した。ようするに、ひどくうろたえたのである。どう表現していいかわからなかったのだが、つい先日、図
1954年生まれ。78年早稲田大学政治経済学部卒業後、ダイヤモンド社入社。「週刊ダイヤモンド」編集長などを経て現職。著書に『複雑系の選択』『めちゃくちゃわかるよ!経済学』(ダイヤモンド社)『浦安図書館を支える人びと』(日本図書館協会)など。 かの残響、清冽なり――本田美奈子.と日本のポピュラー音楽史 日本のポピュラー音楽の誕生をレコード産業の創始と同時だと考えると、1910年代にさかのぼる。この連載では、日本の音楽史100年を、たった20年の間に多様なポピュラー音楽の稜線を駆け抜けた本田美奈子さんの音楽家人生を軸にしてたどっていく。 バックナンバー一覧 「アイドル歌手」への先入観 1992年5月5日に「ミス・サイゴン」の本公演が帝国劇場で始まると、すぐに全国紙が批評を載せている。このとき、本田美奈子さんへの酷評ぶりに驚いた記憶が残っていたので、当時の記事を探してみた。該当する部分だけを並べ
1954年生まれ。78年早稲田大学政治経済学部卒業後、ダイヤモンド社入社。「週刊ダイヤモンド」編集長などを経て現職。著書に『複雑系の選択』『めちゃくちゃわかるよ!経済学』(ダイヤモンド社)『浦安図書館を支える人びと』(日本図書館協会)など。 かの残響、清冽なり――本田美奈子.と日本のポピュラー音楽史 日本のポピュラー音楽の誕生をレコード産業の創始と同時だと考えると、1910年代にさかのぼる。この連載では、日本の音楽史100年を、たった20年の間に多様なポピュラー音楽の稜線を駆け抜けた本田美奈子さんの音楽家人生を軸にしてたどっていく。 バックナンバー一覧 前回は指揮者・塩田明弘さんがみた本田美奈子さんの歌唱技術について紹介した。今回は彼女を「ミス・サイゴン」のオーディションへ引き入れた東宝プロデューサー酒井喜一郎さんと、オーディションの現場にいた「ミス・サイゴン」プロデューサー古川清さんが語
かつて「IT業界の寵児」と呼ばれながら、2010年にUSENの社長を辞任した宇野康秀氏。現在はUSENの会長職を務めると同時に、自ら手がけた動画配信事業を譲り受け、株式会社U-NEXTの社長として、その育成に力を注いでいるという。宇野氏にとって動画配信ビジネスは、USEN社長時代からのまさにライフワーク。拡大期を迎えたVOD市場で、どんな戦略を練っているのか。また、動画配信をはじめとするIT業界のトレンドを、どのように見据えているのか。久々にメディアに登場した宇野氏が、思いの丈を語る。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 小尾拓也、撮影/宇佐見利明) うの・やすひで/USENグループ会長、U-NEXT代表取締役社長。1963年生まれ、大阪府出身。明治学院大卒。リクルートコスモス(現コスモスイニシア)を経て、人材サービス会社のインテリジェンスを創設。大阪有線放送社の創業社長だった父の急逝に伴い
1956年生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、野村證券に入社。同社退社後、3年間の出版社勤務を経てフリーランスジャーナリストに。金融、経済誌に多く寄稿し、気鋭のジャーナリストとして期待される。BS日テレ『財部ビジネス研究所』、テレビ朝日『報道ステーション』等、TVやラジオでも活躍中。また、経済政策シンクタンク「ハーベイロード・ジャパン」を主宰し、「財政均衡法」など各種の政策提言を行っている。 財部誠一の現代日本私観 経済ジャーナリスト・財部誠一が混迷を極める日本経済の現状を鋭く斬るコラム。数々の取材から見えた世界情勢を鋭く分析するとともに、現代日本にふさわしい企業、そして国のあり方を提言していく。 バックナンバー一覧 6月25日の朝日新聞が「巻き返す今治タオル」と題した記事を掲載した。 かつて愛媛県今治市周辺はタオルの産地として全国にその名を知られたが、廉価な中国産に押され、今治タオルは存亡
1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員、信州大学経済学部教授、法政大学大学院教授などを経て、2022年4月から現職。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。 今週のキーワード 真壁昭夫 経済・ビジネス・社会現象……。いま世の中で話題となっているトピックス、注目すべきイノベーションなどに対して、「キーワード」という視点で解説していきます。 バックナンバー一覧 すでに政党の意味は薄れている 合理性のない「小沢政局」の顛末 政治の世界で起きることは、ときに理解ができないことがある。それはおそらく、実際にそこで起きていることが、合理性などのロジックに基づいたものではないからかもしれない。 政治の舞台で活躍する人たちは
[ロンドン/ワシントン/バンガロール/サンパウロ/メキシコ市 2日 ロイター] 米国やユーロ圏などで2日に発表された製造業統計は、世界経済の減速を示す弱い数字となった。このほか、中国や日本、韓国、インド、ブラジルでも輸出向け受注が減少した。 欧州首脳は先週、スペインとイタリアの国債利回りを低下させるための策で合意し、市場はこれを前向きに受け止めていた。しかし、各国の製造業活動の減速は、政策当局者が直面している問題を浮き彫りにしている。 米供給管理協会(ISM)が2日発表した6月の製造業部門景気指数は49.7となり、2009年7月以降で初めて景気判断の分かれ目となる50を下回った。新規受注や輸出の落ち込みが全体を押し下げた。 ロイズ・バンキング・グループのグローバル・エコノミスト、ジーボン・ロレイ氏は「世界経済の減速には共通の要因があることは間違いない。信頼感に打撃を与えており、輸出に影響が
7月2日、米半導体大手マイクロン・テクノロジーのマーク・アダムス社長は経営破綻した国内DRAM(記憶用半導体)専業メーカー、エルピーダメモリの買収について、マイクロンの生産能力拡張の必要性に対応したと指摘した。写真はアイダホ州のマイクロン本社前で2月撮影(2012年 ロイター/Brian Losness) [2日 ロイター] 米半導体大手マイクロン・テクノロジーのマーク・アダムス社長は経営破綻した国内DRAM(記憶用半導体)専業メーカー、エルピーダメモリの買収について、マイクロンの生産能力拡張の必要性に対応したと指摘した。 マイクロンは2日、エルピーダを買収することで合意したと発表した。アダムス社長はロイターとの電話インタビューで「当社は能力拡張の強い必要性が常にあった」と述べ、今回の買収でそうした必要性を満たすことが可能になるとの見方を示した。「業界にある程度の安定性を提供する大きな一歩
ユーロの根本的な問題は「何匹もの猫を統率する」ごとく、利害も伝統も考え方も異なり、意見の合わない17カ国の複雑な政策を調整することの不可能さにあると広く考えられている。そうではない。欧州の境界線はもっとずっと単純だ。 一方の側にはフランス、イタリア、スペイン、その他すべての重要な国々が属し、米国、英国、国際通貨基金(IMF)、欧州委員会、欧州中央銀行(ECB)幹部の支持を得て、純粋な財政連邦を基盤とする厳粛かつ複雑な技術的解決策、つまりは国家債務の分担を提案している。もう一方の側はドイツだ。時折フィンランド、オーストリア、スロバキアの支持を得て、常に「ナイン(ノー)」を突き付ける。 メルケル・ドイツ首相が拒否をちらつかせる度に、ドイツは孤立して面目を失う。ドイツのヨシュカ・フィッシャー元外相が最近警告した通り、「ドイツは20世紀に2度、自国と欧州の秩序を破壊した。復活したドイツが欧州の秩序
7月2日、一見すると、先週のEU首脳会議の勝者はイタリア、スペイン、フランスの首脳に見える。会議では、この3人が強力な連合を組んでメルケル・ドイツ首相(写真)の態度を突如として軟化させ、譲歩を引き出したかのようだ。写真は6月撮影(2012年 ロイター/Fabian Bimmer) [ベルリン 2日 ロイター] 一見すると、先週の欧州連合(EU)首脳会議の勝者はイタリア、スペイン、フランスの首脳に見える。会議では、モンティ・イタリア首相、ラホイ・スペイン首相、オランド・フランス大統領の3人が強力な連合を組んでメルケル・ドイツ首相の態度を突如として軟化させ、譲歩を引き出したかのようだ。 しかし数年後にユーロ圏が今の姿のまま存続していると仮定すれば、今回の首脳会議はメルケル首相が飲まざるを得なかった苦い政策と同じくらい、首相が他の加盟国から引き出した政策によって思い起こされるかもしれない。
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