やくざ映画の「健さん」として一時代を築き、寡黙で一本気な「日本の男」を演じた俳優の高倉健(たかくら・けん、本名小田剛一〈おだ・ごういち〉)さんが10日、悪性リンパ腫のため、都内の病院で死去した。83歳だった。 福岡県生まれ。明治大学商学部を卒業後、就職難で実家に戻り、家業の石材業を手伝うが、55年に上京。芸能プロのマネジャーの面接をうけていたとき、居合わせた東映幹部にスカウトされ、第2期ニューフェースとなった。 56年、映画「電光空手打ち」「流星空手打ち」の連作に主演デビュー。高校時代はボクシング、大学では相撲や合気道で鍛えたスポーツマン風の容姿がかわれ、現代劇スターとして売り出した。「大学の石松」シリーズなどの熱血青年役が多く、美空ひばり、片岡千恵蔵ら大スターとも共演したが、主演俳優としては伸び悩んだ。