“本能寺の変に黒幕は......いない!” 歴史本にありがちな陰謀論の数々を、学者が本気でボコボコにする本が最高に痛快だ。 「大人げないと私もわかってます。でも、誰かがマジレスしないといけない」 ベストセラー『応仁の乱』(中公新書)の著書であり、『陰謀の日本中世史』(角川新書)を3月に上梓した気鋭の歴史家・呉座勇一さんに話を聞いた。 なぜ、マジレスが必要か。なぜ、陰謀論がはびこるのか。【BuzzFeed Japan / 伊藤大地】 ――歴史学に照らして「トンデモ」と呼ばれるような説を、マジレスでバッサバッサ斬っていますね。この本を書くきっかけは? 本屋に行って歴史コーナーを覗くと、フィクションだかノンフィクションだかわからない「歴史エンタテイメント」が山ほど積まれている。そしてそこには、「隠された真実」「メディアが決して報じない」などと帯文が書かれている。 徳川家康が明智光秀と提携して織田