阪急阪神ホテルズの食材偽装が発覚したのを契機に、問題は全国各地のホテルや百貨店などに波及した。社長が引責辞任する事態も起き、企業側のこれまでの認識の甘さも浮き彫りになった(写真:産経新聞) ホテルのレストランのメニューに端を発した食材の偽装表示問題。その後、百貨店や高級料亭などにも広がり、ブランドへの信頼を傷つけ、各業界の認識の甘さが浮き彫りになった。一連の取材からは、ホテルの“裏の顔”が浮かび、高級店や人気店舗に潜んでいた「ゆがんだおもてなし」の一端もうかがえた。 ■「あちらにはスパークリングでいい」 シャンパングラスの底から立ちのぼる泡の向こうに、眼下に広がる大阪の夜景が揺れる。ある超一流ホテルの高層階にある「クラブラウンジ」。瀟洒(しょうしゃ)なドレスやスーツに身を包んだ客らが、特別な夜を楽しむスペースだ。 しかし、給仕を担当していたホテル関係者の証言からは、ホテルの“裏の顔”