新型コロナウイルスへの感染が疑われる患者の遺体が、インドネシアの病院の一室に安置されている。感染を防ぐため、看護師がプラスチックのシートで遺体を密封し、消毒した。(PHOTOGRAPHS BY JOSHUA IRWANDI) フォトジャーナリストのジョシュア・イルワンディ氏は、インドネシアの病院で働く人々への密着取材を行い、プラスチックシートで全身を包まれたCOVID-19で亡くなった犠牲者をとらえた印象的な1枚を撮影した。撮影にあたっては、被写体となった人物の特徴や性別がわからないよう、細心の注意を払った。 ナショナル ジオグラフィック協会の支援で、ナショジオの記事(2020年8月号「パンデミックと闘い続ける人類」)のために撮影されたこの写真は、インドネシアに暮らす2億7000万の人々の心を揺るがした。今回の世界的なパンデミックに対して、インドネシア政府は消極的とも思える姿勢を見せていた