2008年8月、旭川医科大学は電子カルテを中核とする病院情報管理システムの刷新をNTT東日本に依頼した。 プロジェクトの開始直後から、現場の医師たちによる追加要件が相次ぎ、プロジェクトが混乱した。NTT東日本は、1000近くに上る追加項目のうち、625項目を受け入れた上で、仕様を凍結(もうこれ以上要件の追加、変更は行わないと合意すること)し、納期も延長することになった。 ところが仕様凍結後も現場医師らの要望はやまず、さらに171項目の追加項目が寄せられ、NTT東日本はこのうちの136件の項目を受け入れたが、開発はさらに遅延し、期日通りにシステムを納品できなかった。 NTT東日本は「プロジェクトの失敗は旭川医大が要件の追加、変更を繰り返したことが原因だ」と損害賠償を求め、旭川医大は「NTT東日本が納期を守らず、テスト段階での品質も悪かった」と反論し裁判になった。これが「旭川医大の惨劇」のあら