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ブックマーク / www.ntticc.or.jp (2)

  • ジジェクの 『アンダーグラウンド』 評

    哲学としての現象学の教えるところによれば,われわれの知覚の対象は主体がその対象に対してとる態度を通じて形成される.女性の裸体などはそのよい例だが,それは性的な刺激を引き起こすこともあれば,超然とした審美的眼差しの対象となることもあり,科学(生物学)の探究対象ともなれば,極端な場合,飢えた男たちのあいだで料理される餌等になることさえある.これと似たことは芸術作品について語ろうとする場合にもしばしば見受けられる.つまり,政治的な備給があまりに明白すぎて,政治的情念を留保して超然とした審美的態度をとることが,理論上はともかくも,実際には不可能になってしまう場合がそうである. エミール・クストリッツァの『アンダーグラウンド』(1995)の厄介な点もここにある.われわれはこの映画を美学の対象として扱うこともできるし,政治にはセックスに劣らぬ情念が費やされる以上,政治=イデオロギー闘争に賭けられたも

  • IC018 『新世紀エヴァンゲリオン』レヴュー (J)

    『新世紀エヴァンゲリオン』 テレビアニメ作品.テレビ東京系5局ネット,水曜18:30,95/10/4*-96/3/27.全26話.原案・脚・監督=庵野秀明.企画・アニメーション制作=(株)GAINAX. 基は,謎の敵に対し,謎の機械に乗って理由も分からず闘う不条理な物語.舞台は近未来,2015年の富士山麓・第3東京市.その第3東京市に対し,それぞれ旧約聖書の天使名を冠する「使徒エンジエル」と呼ばれる存在が,断続的に攻撃を仕掛けてくる.使徒は,いわゆる巨大生物のこともあれば,浮遊する巨大ピラミッドのことも,またコンピュータ・ウイルスやただの光る輪のこともあるといった存在であり,その正体も意図も全く不明.その攻撃に対抗できるのは,巨人型生体兵器「エヴァンゲリオン」(通称エヴァ)のみが知られているが,これもまた人類のテクノロジーを超えた存在であり,しばしば暴走する.エヴァは3体あり,それぞれ

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