◇黒川氏個人の資質問題へ「すり替え」ならず 時の政権による検察人事への政治介入が問題なのに、東京高等検察庁の黒川弘務検事長が賭けマージャンで辞職したことにより、焦点が黒川氏個人の資質問題にすり替えられてしまったのではないか。世論の認識はどのあたりにあるのかを探ろう。そう思って臨んだのが、社会調査研究センターと毎日新聞が5月23日に実施した全国世論調査だった。 結果として、焦点はすり替わってはいなかった。 安倍内閣の支持率は27%と、前回調査(5月6日)の40%から急落した。不支持率が前回の45%から64%に跳ね上がったのにも驚いた。 資質に欠ける人物が東京高検検事長をしていたというだけではここまで内閣支持率は下がらないだろう。多くの人が安倍内閣、特に安倍晋三首相の責任は重いと考えたことが内閣支持率を直撃した。 通常の世論調査は内閣支持率の質問を必ず最初に置く。政策課題などの質問を先に置くと