フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領の人気が高まっている。同国紙デイリー・インクワイアラーの電子版が6月に行った調査によれば、大統領に対する国民の支持率と信頼度は1月の調査結果と比べ、それぞれ80%から88%に、82%から87%に上昇した。 他国から見れば、これらは驚きの結果と言える。ドゥテルテの政策や方針のほとんどは、とてもそうした高評価に値するものとは思えないからだ。 その一つが、南シナ海の問題に関して態度を二転三転させていることだ。領有権を争う海域の権益を基本的に中国に譲るかのような行動も見せているが、それは米中の軍事的対立に進んで巻き込まれようとするかのようなものだ。両国が「誰が味方で誰が敵か」を見定めようとしているときに、一国が取るべき適切な態度とは考えられない。 さらに、ドゥテルテが続ける「麻薬戦争」も挙げられる。国を混乱に陥れ、分断するものであり、国連をはじめとする国際人権