ここのところ働きづめだった妻のご機嫌を取るため、群馬県伊香保温泉に一泊旅行をしてきた。 最近の旅行はたいてい仕事とセットだった(遠隔地での用談のついでに観光地を経由)から、行楽のみの旅行は、貧しい私たちには久しぶりの贅沢である。 面白かったことはいくつかあったが、気になったことをひとつ。 温泉街の名物である長い石段を登り詰めたところが伊香保神社である。神社の鳥居の右手前には薬師堂がある。明治以前は一体のものであったろう。 さて、神社に行くと由来を書いた看板があり、主祭神は大己貴神となっている。いわゆる大国主命である(別の神格だという説もあるがここでは拘泥しない)。ほかにも幾柱かの神が列挙されているが、どれも記紀神話ゆかりのものばかり。 そんなはずはあるまい、と思った。元来は、ここ上州の古い神を祀っていたはずだろう。 伊香保神社は伊香保の山の恵みを神格化して、温泉の守り神としたのだろうから、
しゅくゆう その姿は「獣身人面(『山海経』海外南経)」とも言われ、火の神とされる。 三皇五帝伝説ではしばしば名前が見え、山東省・嘉祥県で発見された後漢時代の画像石では伏羲・神農と並んで三皇の一人に上げられている。 だが、その他の記録などでは今一つ個性の感じられない脇役にされてしまっていることが多い。 ・南方の神 『山海経』や『淮南子』などでは、祝融は南方を司る方位神とされている。 南方は祝融、獣身人面、双竜に乗る。 (『山海経』海外南経) 南方の極は、北戸孫国の外から、顓頊国をとおって、南のかた委火炎風の野に達する。そこは赤帝の帝と祝融の神が司宰していて、一万二千里のひろさである。 (『淮南子』時則訓) 祝融を南方に配置するのは、木・火・土・金・水を東・南・中央・西・北に配する五行思想の影響だろうか。 また、『淮南子』天文訓にある、 南方は、火である。その帝は炎帝、その
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