文学に関するt-hirosakaのブックマーク (12)

  • そのこころは - Living, Loving, Thinking, Again

    こころ (新潮文庫) 作者: 夏目漱石出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2004/03メディア: 文庫購入: 18人 クリック: 370回この商品を含むブログ (438件) を見る 「学生時代に読んでおくべきだった―夏目漱石『こころ』」http://d.hatena.ne.jp/t-hirosaka/20160829/1472448393 広坂さんは夏目漱石の『こころ』*1をなかなか読み通すことができなかったのだという。何故読めなかったのかを省察している。少し切り取らせていただく。 (前略)ただ、学生時代の私がどうしてこの面白い小説を読めなかったのか、単に読み通すことができなかっただけではなく読むことが苦痛だったのかはわかった。若いころの私は、作中で「先生」と呼ばれる人物が、語り手にとって尊敬に値する隠れた思想家のように描かれていることに引っかかったのであった。さらに言えば、後半の先生の

    そのこころは - Living, Loving, Thinking, Again
    t-hirosaka
    t-hirosaka 2016/09/03
    先輩からご指導。
  • 『八つ墓村』を読み解く - 男の魂に火をつけろ! ~はてブロ地獄変~

    BSプレミアムの「Jミステリーはここから始まった!」“『八つ墓村』を読み解く読書会”を見ました。 この記事は削除されました |NHK_PR|NHKオンライン 金田一耕助ファイル1 八つ墓村 (角川文庫) 作者: 横溝正史出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店発売日: 2012/10/01メディア: Kindle版この商品を含むブログ (10件) を見る綾辻行人、高橋源一郎、中野信子、道尾秀介という達人が語り合う1時間。実に面白い番組でありました。道尾秀介による「八つ墓村には子どもがひとりもいない」という指摘には、目からウロコが落ちる思いがしましたね。鍾乳洞で子どもが遊んでたら話が成り立たなくなるから、というんですけど、結果としてあの閉塞感がより際立つことになったわけです。 とはいえ、『八つ墓村』はオレも大好きな小説ではあるんですけど、金田一耕助は読者の知らない手がかりを持って村

    『八つ墓村』を読み解く - 男の魂に火をつけろ! ~はてブロ地獄変~
  • 新訳でびっくり。カフカ『変身』の主人公は、本当に「毒虫」に変身したのか - エキレビ!(2/3)

    “グレゴール・ザムザがある朝のこと、複数の夢の反乱の果てに目を醒ますと、寝台の中で自分がばけもののようなウンゲツィーファー(生け贄にできないほど汚れた動物或いは虫)に姿を変えてしまっていることに気がついた。” 岩波文庫、山下肇訳とくらべてみよう。 “ある朝、グレゴール・ザムザがなにか胸騒ぎのする夢からさめると、ベットのなかの自分が一匹のばかでかい毒虫に変わってしまっているのに気がついた。” 「毒虫」の部分は、原書では「Ungeziefer」という単語にあたる。 「ウンゲツィーファー(Ungeziefer)」を辞書で引くと「害獣」という訳語が出てくる。 虫だけではなく、ネズミや、ばい菌なども含む「害のある小動物」で、まあ、主に「虫」というイメージの単語のようだ。 ザムザが変身してしまった虫は、小説の中では毒を持っている描写はない。 「毒虫」という訳は、「害」の部分のインパクトを強くうち出した

    新訳でびっくり。カフカ『変身』の主人公は、本当に「毒虫」に変身したのか - エキレビ!(2/3)
  • 抜き書き・「検事側の証人」 - Arisanのノート

    花田清輝著作集 IV―近代の超克もう一つの修羅 作者: 花田清輝出版社/メーカー: 未来社発売日: 1964/12/01メディア: 単行この商品を含むブログ (1件) を見る 花田清輝の古い著作『近代の超克』を読んだのだが、その中の「検事側の証人」というエッセイの中で、1950年代に大きな関心を集めたチャタレイ裁判の被告となって、最終的に有罪とされた(GHQが介入した節がある)作家の伊藤整が、雑誌『近代文学』の座談会のなかで発言した言葉が引用されている。 僕は、これを読んでちょっと感動したので、ここに書いておきたい。今日の文脈のなかで読むとき、ここには非常に大切なことが言われていると思う。 ちょっと文意がわかりにくい記述だと思うので、大事だと思ったところを太線で強調してみる。 簡単に文脈を説明しておくと、まず文中で、「スターリン事件」と言われているのは、フルシチョフのスターリン批判のこと

    抜き書き・「検事側の証人」 - Arisanのノート
    t-hirosaka
    t-hirosaka 2014/10/07
    「チャタレイ裁判の被告となって、最終的に有罪とされた(GHQが介入した節がある)作家の伊藤整が、雑誌『近代文学』の座談会のなかで発言した言葉」
  • 『鳥獣戯話・小説平家』 - Arisanのノート

    鳥獣戯話・小説平家 (講談社文芸文庫) 作者: 花田清輝出版社/メーカー: 講談社発売日: 1988/10/03メディア: 文庫 クリック: 5回この商品を含むブログ (7件) を見る とにかく、滅茶苦茶に面白い小説?)だった。 これほど引き込まれて読んだのは、何十年も前に読んだベンヤミン以来ではないかと思う。 これらの作品の魅力は、著者の恐ろしいほどに該博な知識を背景として展開される、レトリックの威力にこそあると思う。レトリック、文章の力が、そのまま反暴力的な抵抗を形作っているという点が、ベンヤミン(「暴力批判論」の著者)との質的な共通点だろう。 またそれは、真に近代的で唯物論的な批判力と共に、(やはりベンヤミンと通じるだろうが)日の民衆のフォークロアへの沈潜から、大きな力を得ていることも確かだ。 その意味で、僕はとりわけ、「小説平家」のなかの、第二章「霊異記」や第三章「大秘事」

  • 文学における対立構造をポップにイラスト化 名作をまとめてみた

    「CONFLICT IN LITERATURE(文学における闘争)」と題された上記の画像がTwitterで話題になっています。 イラストはCLASSICAL(古典)、MODERN(近代)、POSTMODEN(現代)における文学作品における闘争遍歴、その時代に中心的に取り組んできたテーマを、ポップなイラストによってざっくりと解説したものです。文学に詳しい人は「なるほど!」と納得するもので、詳しくない人にとっても一目で勉強になるという秀逸な出来となっています。 しかし実際にどんな作品がそれぞれに当てはまるのか、パッと言い当てるのは少し難しいです。あくまで参考として下記にまとめてみました。気になる作品があれば読んでみましょう! CLASSICAL(古典) MAN vs NATURE

    文学における対立構造をポップにイラスト化 名作をまとめてみた
    t-hirosaka
    t-hirosaka 2014/07/19
    テクノロジーや仮想現実の向こうにはやっぱり人間や社会があるんだよ。近代は終わっちゃいないよ。
  • SK hates SK? - Living, Loving, Thinking, Again

    Emma Brockes “Stephen King: on alcoholism and returning to the Shining” http://www.theguardian.com/books/2013/sep/21/stephen-king-shining-sequel-interview スティーヴン・キング*1へのインタヴュー。 キングは『シャイニング』のダニー少年の行く末をずっと気にしていたという。キングの新作Doctor Sleepは成人したダニーが主人公; Doctor Sleep, his 56th novel, revisits Danny in adulthood, when he has become an alcoholic drifter haunted by the memory of his raging father. The Shining

    SK hates SK? - Living, Loving, Thinking, Again
    t-hirosaka
    t-hirosaka 2013/10/05
    スティーブン・キング
  • 『竹取物語』の他者 - heuristic ways

    『竹取物語』の大まかなストーリーは広く知られている。竹の中で見つけられ成長したかぐや姫が五人の貴公子に求婚されるが、かぐや姫は無理難題のプレゼントを要求して求婚者を次々に退け、最後は天人たちに迎えられて月に帰るという話である。 だが、今回初めてビギナーズ版の『竹取物語』(角川ソフィア文庫、武田友宏解説)を読んでみて思ったのは、かぐや姫がこの物語の登場人物たちにとって異質な他者であるだけでなく、『竹取物語』という「日最古の物語」自体が日の文学伝統にとっての「他者」なのではないかということだった。『日書紀』が日歴史にとっての「他者」であるのと同じような意味で。『竹取物語』や『日書紀』では、いわば「日の外から日を見る」という超越的・外在的な眼差しが徹底しているように思えるのである。  武田友宏氏によると、『竹取物語』はもともと『竹取の翁(おきな)の物語』と呼ばれていたらしい。とす

  • ペシミズムに彩られた「星々の蝶」 - 酔生夢死浪人日記

    革新性と衝撃度で「悪童日記」(アゴタ・クリストフ)と「蟻」(ベルナール・ウェルベール)を超える小説は稀である。再読した前者については、別稿(7月27日)で記したばかりだ。「蟻」もいずれ再読する予定だが、今回は06年に発表されたウェルベールの「星々の蝶」(NHK出版)を紹介する。 1990年代前半、ニューサイエンス関連の書物が店頭に並んでいた。量子力学や宇宙物理学を老荘思想や禅に重ねて説くというのがそのアプローチで、「タオ自然学」や「踊る物理学者たち」は純粋文系の俺に科学の魅力を教えてくれた。ブームが後退した時期(95年)に邦訳された「蟻」を、ニューサイエンスの残滓と誤解した人も多かったはずだ。 「蟻」3部作に加え、人類の始まりに遡及した「われらの父の父」、死後の世界と宗教の質に迫った「タナトノート」と、ウェルベールは刺激的な作品を世に問い続けている。哲学と科学を融合させた小説の数々で、ウ

    ペシミズムに彩られた「星々の蝶」 - 酔生夢死浪人日記
  • 白檀の刑(莫言、吉田富夫訳、中公文庫) - 幻 想 の 断 片

    白檀の刑〈上〉 (中公文庫)作者: 莫言,吉田富夫出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2010/09/22メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (2件) を見る白檀の刑〈下〉 (中公文庫)作者: 莫言,吉田富夫出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2010/09/22メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (1件) を見るハ・ジンの小説とは違って、こちらは中国語で書かれた中国の現代文学。莫言(モオイエン)は、「アジアで最もノーベル文学賞に近い作家」なんだそうだ。時は清朝末期、山東省高寧県。ドイツ軍の支配下にある鉄道敷設現場を組織を率いて襲撃したかどで、孫丙という男が捉えられた。西太后、袁世凱の裁きの下、極刑「白檀の刑」に処せられることとなる。腰斬刑、凌遅刑など、古来中国で行われてきた死刑の方法は「見せしめ」の一面も大きく、

  • フロイトのドストエフスキー論 - heuristic ways

    フロイトがドストエフスキー論を書いているのは知っていたが、今回初めて読んだ。図書館で中山元訳の『ドストエフスキーと父親殺し/不気味なもの』(光文社古典新訳文庫)を見かけたので、借りてみたのである。「ドストエフスキーと父親殺し」は一九二八年、フロイト(1856−1939)が七二歳のときに書かれている。年譜を見ると、一九二七年には『幻想の未来』、三〇年には『文化への不満』を刊行しており、後期フロイトが精神分析の理論を宗教や文明批判、政治理論などにも応用していた時期に当たることがわかる。  フロイトはドストエフスキーを「詩人」としてはきわめて高く評価しながらも*1、「道徳家」や「罪人」としては手厳しく批判し、結局のところ、「神経症患者」として精神分析の対象としている。 私が興味深いと思ったのは、ドストエフスキーの「道徳家という<顔>」を批判しているところで、フロイトは、「道徳性の高い人物というも

  • 分析の土台 - Arisanのノート

    失われた時を求めて 7 第四篇 ソドムとゴモラ 1 (集英社文庫ヘリテージシリーズ) 作者: マルセル・プルースト,鈴木道彦出版社/メーカー: 集英社発売日: 2006/10/18メディア: 文庫 クリック: 12回この商品を含むブログ (8件) を見る この小説の重要な登場人物の一人であり、自身ユダヤ人でもあるスワンは、ドレフュス事件の展開に際して、ドレフュスの無実を信じその再審を要求する立場に立って行動することで、当時急速に反ユダヤ主義的な傾向を強めていたフランス社交界のなかで孤立していくことになる。 作者のプルーストは、自身の母親がユダヤ人ということもあり、ドレフュス支持派の立場に立って積極的に活動した経歴を持つそうだが、この小説の語り手には(彼自身はやはりドレフュス派に設定しながらも)、ここでスワンの振る舞いや心理については、まったく突き放した分析を行わせている。 つまり、ドレフュ

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