2013年1月19日のブックマーク (1件)

  • J.L.バイヨック『サガの社会史』 - heuristic ways

    柄谷行人氏は、『哲学の起源』で、アテネに代表されるようなギリシアのポリスと、ギリシア土からの植民によって形成されたイオニアの諸都市は異質だと指摘し、イオニアにはアテネに見られるような貨幣経済による階級分解や門閥(大土地所有者)支配、言い換えれば「不平等や支配−被支配の関係」がなく、イソノミア(無支配)が存在したと言っている。《…イオニアでは独立自営農民が主であり、大土地所有者はいなかった。その原因は使役可能な他者がいなかったことにある。土地をもたない者は、他人の土地で働くより、別の土地に移動したのである。》《…アジア全域に広がったイオニア人の交易は、国家的ではなく、私的交易であった。それは商工業者のネットワークによってなされた。イオニアのポリスは、ある意味で、このような商工業者たちの評議会なのである。国家による交易の独占がない場合、交易の利潤は平準化される。したがって、市場経済や交易がた