原爆の悲惨さなどを描いた漫画「はだしのゲン」について、大阪府泉佐野市教委が市立小中学校の図書室から回収した問題で、市教委は20日午後、各校に「ゲン」を返したが、校長からは批判の声が相次いだ。 中藤辰洋教育長が市役所に集まった校長13人に「ゲン」を返却。受け取った宮本純子・同市立校長会長(長南中校長)は「読みたいと思う子供の気持ちを尊重するべきだと思い、違和感があった。すぐに元に戻したい」と語った。 別の校長は「松江市教委で閲覧制限をしたのと同じでやり過ぎ。きちんとした説明もなかった」とぶぜんとし、ほかの校長も「憤りを感じる。こんなやり方はやめてほしい」と批判した。 この問題を巡っては、昨年11月、千代松大耕(ひろやす)市長が「きちがい」「乞食(こじき)」など作品中の言葉を挙げ、「何らかの対応が必要」と中藤教育長に伝達。それを受けた中藤教育長は、各校に「ゲン」を図書室から校長室に移すよう指示