高田直芳(公認会計士、CPA Factory Co.,Ltd.取締役社長) 【第22回】 2009年12月04日 前回コラムでは、自動車三大メーカー(トヨタ・ホンダ・ニッサン)を取り上げた。今回はエレクトロニクス業界として、ソニー・富士通・NECの業績を検証する予定でいた。ところが、これが「難攻不落トリオ」なのである。 ソニー・富士通・NECの決算書を見た人なら、すぐにわかるだろう。09年に入ってからの四半期すべてが、赤字決算の連続。富士通についてはファナックの株式売却益によって、09年9月期に黒字を確保したが、その売却益を消去すればソニーやNECと「同じ穴のムジナ決算」だ。 黒字決算の企業に対する分析手法は、世の中に山ほどある。経営危機に陥って倒産した企業に対する経営分析も星の数ほど存在する。ところが、赤字決算を続けていながら、経営危機を心配されない企業に対する経営分析というのは、古今東