文化審議会国語分科会は29日、常用漢字について、字体・字形を幅広く認める指針をとりまとめた。たとえば手書きの際、「木」の縦画は、とめてもはねてもよいことや、「天」の2本の横画は上下どちらが長くても誤りでないことなど、2136すべての漢字で手書き例を2、3種類例示した。 現在の常用漢字表の解説でも細かな違いを許容している。だが、パソコンの普及により、官公庁や金融機関の窓口で名前などを記入する際、印刷された明朝体の文字に合わせて書き直すよう指示されるといった問題が生じている。たとえば「令」の下の部分は「マ」でもよいのに、明朝体の通り「令」にするように言われるケースがあるという。 このため改めて周知することにし、指針では「字の細部に違いがあっても、その漢字の骨組みが同じであれば、誤っているとはみなされない」「手書き文字と印刷文字の表し方には、習慣の違いがあり、一方だけが正しいのではない」と説明し