突然だが、高畑監督の、自分が直接間接に見聞きしたことを気まぐれに書きます。『海がきこえる』でジブリに入ったとき、高畑さんは隣のスペースで『ぽんぽこ』の準備中だったのである。 高橋プロデューサーから聞かされた。高畑さんは『おもひで』のゼロ号の時に現像所のタイミング担当のスタッフに対して、フィルムの仕上がりについて長時間の烈しい説教をしたそうです。高橋氏いわく、「あの担当の人、今ごろ自殺してるんじゃないかなあ」。 おれが作業をしていると隣りのスペースから高畑さんの声が聞こえてくる。どこかの出版社の編集者を電話で叱っている。どうもその編集者が、ある著者の本の帯に推薦文を描いてほしいと高畑さんに頼んできたようだ。ところが本はまだ完成していなくて、中身を読みもしないで推薦してくれという無茶な依頼らしい。 これに対して高畑さんは、読まずにどうして推薦できるのか、読んだらむしろ批判するかも知れないではな