インターフェイスデザインをめぐる思考実験 2015年の11月に日本語版が出版された『スペキュラティヴ・デザイン』の冒頭には、著者のアンソニー・ダンとフィオナ・レイビーのデザイン宣言ともいえる「A/B」の表が掲げられている。ここで「A」というのは、ふつう理解されている肯定的なデザイン。「B」というのは、彼らが実践しているところのデザインである。 「A」のふつう理解されている肯定的なデザインというのは、例えばApple社のデザインだったり、ドン・ノーマンがいう「使いやすい」デザインだったり、もはやイノベイティブではなくなってしまった、マジョリティのためのデザインのことである。こうした伝統的な人間中心主義的デザインに対する信仰、その裏返しでありパラフレーズの技術による人間拡張主義、あるいは人間とコンピュータがシームレスに融合する、といった類のテクノロジー中心主義に対する無批判な肯定は、そのこと自
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