「日本人の思考停止を再開させたい」「共犯者を探してきた」「仮想敵は、時代」。伊藤剛(33)の口からは矢継ぎ早に刺激的な言葉が飛び出す。穏やかな笑顔と語り口からはまるで想像もつかない。 ジャーナル・タブロイド誌「GENERATION TIMES」。伊藤が編集長を務める同誌は、2004年に東京・原宿で創刊された。これまでに10号、約40万部が発行されている。テーマは、難民問題、アウシュビッツ強制収容所、日本の家紋、歌手のインタビュー、だまし絵など、まさに何でもあり。一見脈絡のない彼の言葉。バラバラに見える同誌のトピック。イコールでも矢印でも無い何かで繋げる気がして、取材を終えた私は何度も彼の言葉を反芻した。(本橋優穂・東京学芸大学) ■セカイとは他でもないココにある 「GENERATION TIMES」を創っているのは、2001年に伊藤が立ち上げたクリエイター集団、有限会社ASOBOT。同社の