毎年発表される「世界幸福度ランキング」。その常連であり、8年連続で1位の座を守り続けている国、それが北欧のフィンランドです。福祉は充実し、教育もすべての子どもに無償で提供され、豊かな自然と治安の良さ。誰もが「理想の暮らし」と思い浮かべる環境がそこにはあります。 しかしそんな国に、少し意外な統計があります。実はフィンランドは、ヨーロッパの中でも比較的高い自殺率を持つ国の一つなのです。特に男性や高齢者の自殺は深刻で、一時期は「自殺大国」とも呼ばれていました。 「『幸福な国=自殺が少ない』は成り立たないのか?」 この矛盾するような現象は、単なる統計の偶然ではありません。実際、フィンランドでは1980年代から自殺対策に力を入れ、自殺率は半分以下にまで下がっています。それでもなお、「幸福な国」にもかかわらず、一定数の人々が自ら命を絶ってしまう現実は続いているのです。 この問題は、突き詰めていくと、日
