この眼力である。 この人のことをよく知らなかったのだけど、失礼な話だが、この表紙を一目見て、こいつはヤバイやつだと感じ興味を持ったのだ。同志社で神学を専攻して、外務省でロシア担当、旨お事件で連座し逮捕されるが作家デビュー。睡眠時間4時間、月に500冊は読書するというヤバイお人。 佐藤優の父は東京大空襲を経験していて、ものは焼け落ちるけれど、知識だけは絶対なくならいと考えたそうだ。とあるように知識への取り込み方が半端ない。 率直の感想としては、世の中広いなと、というか適切に処理すべき情報量が多い。読後は重いボディブローを打たれたような感覚だが、それも悪くない。 本書は佐藤氏がこれまでの10年間に発表した論考、座談会、外交官時代の論文のいくつかをまとめたものである。聖書からの引用だったり、または太平記からの洞察、ロシア時代の外交時代の論文など、ほんとうに知識の量がすさまじい。この情報量が100