名古屋大学(名大)は7月2日、「グラフェン/ダイヤモンド積層界面」が、重要な光情報のみを選択的に記憶し、不要な情報を忘却する脳型(脳のように働く)光記憶素子となることを新たに見出したと発表した。 同成果は、名大大学院 工学研究科の植田研二准教授らの研究チームによるもの。詳細は、オランダのナノ物質を含む炭素材料を題材にした学術誌「Carbon」にオンライン掲載された。 人間の脳では記憶すべき情報の取捨選択が状況に応じて瞬時に行われており、強い印象を持った情報(刺激の大きな情報)は長期記憶に移される一方、刺激の少ない情報については短期記憶として、短時間記憶されたあとに忘れられる。 この長期・短期記憶の存在が脳における情報選別の根幹となるが、今回行われた研究では、グラフェンとダイヤモンドを積層複合化した「グラフェン/ダイヤモンド(G/D)素子」を作製。その積層界面が重要な光情報のみを選択的に記憶