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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/keisai-dousureba (104)

  • アベノミクス・V字回復の瓦解 - 経済を良くするって、どうすれば

    日経は、半月前、7-9月期について、消費が6月の水準を保つだけで前期より高まる「ゲタ」を履いているとして、読者を元気づけていたが、7月の家計調査の実質季節調整済指数は、前月比で-0.2の低下となり、基調を示す「除く住居等」は-0.8にもなった。コラムの警告どおり「ゲタ」は割れ、多くのエコノミストのV字回復への期待は、半月もたずに瓦解した。 7月の鉱工業生産指数は、投資財の特定要因の押し上げで、わずかに生産がプラスになっただけで、在庫は前回不況時に匹敵する水準にまで達し、年内は生産調整が続くことが避けられなくなった。それどころか、消費財の生産・出荷は、未だ下がり続けており、8月の鉱工業生産は悪化する恐れが高い。デフレスパイラル勃発の崖縁に立つ、不穏な情勢にある。 ……… まずは、家計調査の図から見ていただこう。7月は見事にお辞儀をしている。これから発表される消費総合は強めに出がちだが、供給

    アベノミクス・V字回復の瓦解 - 経済を良くするって、どうすれば
    t_thor
    t_thor 2014/08/31
  • アベノミクス・消費が死んだ もう立てない - 経済を良くするって、どうすれば

    今回の家計調査の結果で判明したのは、消費の惨憺たる状況だった。これは反動減の大きさを言っているのではない。消費増税によって、勤労者世帯の実質実収入の低下が前期比で-4.0にも達し、消費は今年度内に駆け込み前の水準には戻らないことが確定的になったのである。今年度はマイナス成長を覚悟しなければならない。残念ではあるが、もうアベノミクスは立ち直れまい。 ……… 現在の消費の落ち込みが反動減に過ぎず、これから戻って来るか否かは、消費性向を見れば分かる。分母の収入は安定しているので、駆け込みで分子の消費が伸びると消費性向は上がり、反動減で下がり、結局は元へ戻る。実際、10-12月期に75.1だった消費性向は、1-3月期に79.0になり、4-6月期には73.1になった。だから、あと2.0ポイントくらいは、消費の戻りが期待できる。 問題は、この半年間に、勤労者世帯の実質実収入が-4.0も落ちていることだ

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    t_thor 2014/08/03
  • アベノミクスから醒めるとき - 経済を良くするって、どうすれば

    また夢で終わるのかね。サッカーW杯16強突破ではなく、日のデフレ脱出の話である。4月の家計調査は、それほど重苦しい結果だった。駆け込みの反動で消費が落ちたことを気にする必要はないが、今後の消費を占う実質「実収入」の季節調整済指数が前月から-3.6も低下したのは重症だ。低下幅は東日大震災時の2011年3月と変わらないほど大きく、水準はこの時の97.0を大きく下回る94.7にまで落ちた。こんなに「実収入」が落ちてしまって、消費が反動減を取り戻せるのか、夢に酔えぬほど数字は厳しい。 (図1) ……… 消費は収入次第というのは誰でも分かる理屈で、勤労者世帯の実収入と消費支出がパラレルに動いていることは一目瞭然だろう。2013年春には、雇用の底入れで消費が上ブレしたが、収入増が追いかけ、消費の反動減も出て、元の割合に概ね戻っている。つまり、消費増税の駆け込みと反動で消費の基調が見えない中で、収入

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    t_thor 2014/06/01
  • 9/13の日経 - 経済を良くするって、どうすれば

    5兆円の補正で消費増税のショックを緩和できると気で思っているのなら、お笑いだ。前年に真水で5兆円の補正予算を打っているのだから、今度、5兆円の補正を組んでも、前年並みになるだけで、消費増税のショックは、そのままかかってくる。もし、「5兆円の補正で消費増税のショックを1%分に抑えました」なんて、総理に説明させたら、大恥をかかせることになる。それとも、読売が担いでくれれば、そんな批判は小さくなって、覆いつくせるということなのか。 日経によると、「5兆円の補正なら、新規国債は避けられない」らしいが、1/2公債償還を見送れば、24年度決算の剰余金だけで3.7兆円あるし、25年度も、不用が前年度並みに1.8兆円出れば、これでもう5兆円到達だ。さらに、筆者は、法人税を中心に税収の上ブレが4.8兆円あると見込んでいるから、10兆円の補正だって新規国債なしにやれるかもしれない。保守的に組んでも7.5兆円

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    t_thor 2013/09/13
  • 消費増税の論争についての雑感 - 経済を良くするって、どうすれば

    市井の人に、「前に消費増税をしたときは、酷い不況になりましたから、慎重にせんといかんですよ」と言うと素直に納得してくれる。これが、なまじ経済を知っている人だったりすると、「消費増税でなく、アジア通貨危機と大型金融破綻が原因だった」と返されたりして、面倒な話になる。筆者も年なので、「財政再建も大事ですな」などと言って、やり過ごすが、こうなるのは、なぜだろうと思ったりする。 前にも書いたが、三つの薬を一度に飲んで、死ぬような副作用に会った後、そのうちの一つは絶対に安全だからと言って、平然と飲み続けたりはしない。病気で薬を飲まざるを得ないにしても、量を減らしたり、体力の回復を待ったりする。それが世間の生きる知恵というものだ。前回の用量の1.5倍を飲ませようとする日の財政当局は、やはり、世事には疎いようである。 ……… 消費増税の判断は、ある意味、常識人の方が正しくできるように思う。財政破綻を心

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    t_thor 2013/08/04
  • 税収急増と計画墨守の愚 - 経済を良くするって、どうすれば

    スケジュールというのは目的達成のために作るものだが、往々にして、スケジュールどおり進めることが目的化する。スケジュールどおり進めることが、むしろ、目的達成を遠ざける事態となっても、やめられない。約束と期待を違えた責任を追求されないことが優先されるのである。 財政健全化目標は、国・地方のプライマリーバランス赤字を、2015年度に半減し、2020年度までにゼロにすることにしているが、なぜ、15年度であって、16や17年度ではいけないのか、誰も答えられまい。消費増税も14年度に3%アップ、15年度に2%アップする計画だが、先に2%、後に3%でまずい理由があろうか。今となれば、デフレの現在に近い時期の上げ幅が大きいことに疑問を感じるはずだ。 おそらく、日の財政当局は、今夏の参院選が終われば、16年度まで国政選挙がないから、それまでに済ましたいとしか考えていないのではないか。そうでなければ、需要不

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    t_thor 2013/06/23
  • 脱デフレから格差是正まで - 経済を良くするって、どうすれば

    世の中を良くするのに役立たないことで定評のある経済学だが、長年の懸案に答えが出ているものがある。それは「貧しい国をいかに豊かにするか」である。答えは、輸出型の外資の導入だ。特区を作って安い労働力を提供し、輸出を伸ばすとともに、増えた所得が内需を拡げ、経済を成長させる。もはや常識と化したこの手法だが、まじめに考えると、なぜ成功するのか明らかでなかったりする。 なぜ「輸出」なのか。成長の源は設備投資にあり、それには需要が決定的に重要という理解があれば、何の疑問もないが、経済学の教科書から一歩も出ずに、「需要の有無と関係なく、低賃金に加え、資さえ用意できれば経済は成長するはず」と考えると、見えるものもみえなくなってしまう。まあ、理由はよく分からなくても、効く薬は用いられるということなのだがね。 昨日の日経には、「対内直接投資北朝鮮より少なく情けない」という話が出てくるが、日に低賃金はないし

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    t_thor 2013/05/07
  • 日本経済の緊縮システム - 経済を良くするって、どうすれば

    2013年度予算を一言で評せば、「緊縮システムは頑として続ける」ということだろう。政権が交代しようと、日の財政当局のやることに変わりはない。「緊縮システム」とは、前年度の補正後の予算額より、圧倒的に少ない当初予算を組んで、秋の補正などで何もしなければ、強力な財政デフレが作用するように仕込むことである。 あわよくば財政を節約できるという仕込みは、財政当局には嬉しいかもしれないが、経済にとっては、たまったものではない。成長は、投資増と所得・消費増が相互に作用して、徐々に高まっていくものである。これを財政が邪魔をしてしまうと、いつまで経っても、成長が高まらなくなる。「緊縮システム」をやめない限り、日のデフレ脱出は難しいだろう。 ……… 補正後の2012年度予算は100.5兆円であり、2013年度予算は92.6兆円だから、何もしなければ約8兆円、GDP比で1.5%ものデフレ圧力がかかる。インフ

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    t_thor 2013/02/03
  • マクロ政策と雇用の在り方 - 経済を良くするって、どうすれば

    総研の湯元健治さんたちが出した「北欧モデル・何が政策イノベーションを生み出すのか」は、非常に示唆に富むだ。民間シンクタンクのメンバーが政策論を深める成果を世に問うたことに、まずは賛辞を送りたい。今日は、第1章の労働市場に関して、いくつかコメントをしてみたい。 山田久さんが執筆した第1章の結論は、労働移動を進め、マクロ的な賃金調整を機能させ、それを積極的雇用政策で支えるというものだ。労働力の流動性を高めて成長につなげる考え方は、オーソドックスなものだろう。その中で、興味を引いたのは、金融政策のインフレ・ターゲットがマクロ的な賃金決定に及ぼした影響である。この一番おいしい部分を、もっと掘り下げたら良いと思う。 スウェーデンの場合、インタゲがあるために、労働側が無理な賃上げを強いてインフレを高めてしまと、金融引き締めの発動によって景気が減速し、結局は雇用条件を悪くすることになる。この見通し

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    t_thor 2013/01/27
  • 財政出動の本当の姿(1) - 経済を良くするって、どうすれば

    安倍政権の金融緩和と財政出動には期待が集まっているが、2%のインフレ目標を日銀に呑ませる金融緩和はまだしも、財政出動は、それに値するものだろうか。昨年の2011年度予算は、4次にわたる補正後に107.5兆円となったが、今年度は、補正後でも100.5兆円にとどまる。つまり、昨年度より7兆円も少ない「緊縮予算」になるわけだ。これで景気は良くなるのかね? 日の新聞や有識者は、数字を確認するということをしない。だから、事業規模20兆円の経済対策、10.3兆円の支出拡大と言われると、容易に信じてしまう。財政当局が狡猾というより、ナイーブに過ぎるのではないだろうか。外国に居て事情に疎いP・クルーグマンが「結果的に完全に正しい」と囃すのは仕方ないにしても、日人が同じ反応では情けない。 ……… 今回、財政当局は、「過去3番目の予算規模」と説明したらしく、記者たちは、それをそのまま流した。ずいぶん

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    t_thor 2013/01/20
  • 経済学を人類に役立てるために - 経済を良くするって、どうすれば

    たまたまなのだが、年末年始は、ジュディ・ダットンの「理系の子」とトーマス・カリアーの「ノーベル経済学賞の40年」を並行して読むことになった。前書の全米科学オリンピックを目指す子供たちの真実探求と問題解決にかけるひたむきさと、後書の「経済学は、そもそも何を発見したのか、何の役に立つのか」という根源的な疑念に貫かれた内容は、痛烈なほど対照的だった。 筆者も若い頃は、「常識的な知見を数式にしただけで、何がおもしろいんだ」と感じていたので、カリアー先生の疑念はもっともに思える。唯一、ケインズの「合成の誤謬」に触れたとき、「あぁ、この人は天才だ。現実の中に常識を超える知見を探し出してこそ、真の学問というものだろう」と感じた。そして、いまだ経済学は、これを超える「発見」をしていないのではなかろうか。 こうなってしまったのは、個々の利益の追求が最大効率をもたらすとする「経済学」が、政府の介入や規制を否定

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    t_thor 2013/01/13
  • 日本は、なぜ少子化に敗れたか - 経済を良くするって、どうすれば

    1971~74年生まれの団塊ジュニア世代は、来年には全員が40歳代になる。少子化を緩和するため、人数の多いこの世代で挽回する好機は失われた。これを逃してはならないと、10年前から言われていたにもかかわらず、なぜ、こんな結果になったのか、その理由は、端的に言うと「戦力の逐次投入」である。 「戦力の逐次投入」とは、戦力を小出しに投入し、そのたびに撃破されては消耗し、敗北へと至るものだ。元々は軍事用語であり、ダメな戦略の典型とされる。最近では、経営を語る際にも使われている。まあ、それだけ、犯しがちな失敗だと言える。十二分に戦力を用意するにはコストがかかる。これに躊躇して勝ちを捨てるのである。 ……… コラムでは、少子化を緩和するため、0~2歳の乳幼児に月額8万円を給付することを提案している。大概の人は、この額を聞くだけでギョッとする。現在の児童手当は1.5万円だから、その5倍以上という「常識外

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    t_thor 2013/01/07
  • 今年の反省と諮問会議への期待 - 経済を良くするって、どうすれば

    28日の家計消費などの発表で今年の統計も終わり。筆者の評価は、意外に良いというものだ。勤労者世帯の11月の季節調整値の指数は-0.2だが、8~10月にかけて伸ばしてきた水準をキープしたと言える。12月は、ボーナスの不振で落ちる可能性が大きいが、もし11月と同水準なら、10-12月期は、前期から1.83も伸びる計算になる。 今年の勤労者世帯の消費は、負担増のあった4-6月期に失速したが、7-9月期、10-12月期と次第に回復を見せる展開だった。しかし、1月には所得税の復興増税、4月には年金支給年齢の引き上げというデフレ促進策が待ち受けるので、前途は多難である。大型補正が組まれても、需要になるのは夏になってからと考えねばなるまい。 ……… 筆者の年末は、「今年は3%成長もあるでしたよね?」と聞かれて、「いやはや面目ない」と答えるといった次第だった。今年の反省は、危ぶみつつも負担増を軽く評価した

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    t_thor 2012/12/30
  • 単純な緩和策では足りない現実 - 経済を良くするって、どうすれば

    今日の日経には、若い人が学べる記事が多いね。まずは、「不動産脱デフレ期待・REITは震災前水準回復、関連株6割上昇、実需とのギャップなお」という記事。金融緩和には効果があるが、それは、直接、景気の原動力である設備投資に効くのではなく、資産や為替に効くということだ。そして、他方で緊縮財政をしたら、どうなるかを考えてほしい。 資産価格が上がり、それが資産家の消費増や建設への投資に結びつけば、実体経済を浮揚させることになる。さらに需要が波及すれば、経済成長もあり得るだろう。しかし、これに緊縮財政を組み合わせると、資産価格が上がっただけになり、実体経済から得られる賃料増の裏打ちがなくなって、最後は「バブル」として崩れることになる。 筆者が言いたいのは、金融緩和には効果があるからと言って、それだけで景気を良くできると思い込み、需要管理を疎かにしてはならないということだ。しかも、資産効果はあまり大きく

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    t_thor 2012/12/22
  • 経済運営・それぞれの死角 - 経済を良くするって、どうすれば

    金融緩和は不況に効く。「だったら、いくらでもやれば良い」と言うのは、経済実態の経験の乏しい者が言うセリフである。需要管理と併せてしないと、ほとんど効果が出なかったり、弊害が起こったりする。この40年の日経済の歩みは、その失敗を繰り返してきたようなところがある。 最近の失敗は、小泉・安倍政権下での円安バブルとその崩壊である。日銀の大規模な金融緩和と世界経済の好調さが組み合わされ、円キャリートレードが発生し、大きく円安に振れた。これで輸出が増加し、景気は上向いたが、緊縮財政と組み合わされて、内需が広がらず、デフレ脱出はならなかった。 構造改革派の人たちは、「成功」としたがるが、筆者には、無死満塁の絶好機に、押し出しで1点取っただけのように見える。成長の加速には、税の自然増収を経済に還元するような思い切りの良さが必要だが、池田勇人や下村治のような強気の人はいなかったということだ。もし、そんな人

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    t_thor 2012/12/03
  • 来年の社会保障はデフレ要因 - 経済を良くするって、どうすれば

    需要管理は経済運営の基であり、財政と社会保障の動向を見極めるのは当たり前ことになっている。ただし、日以外での話だ。日は、需要不足によって生じるデフレに苦しんでいるのに、社会保障を見ないどころか、財政も当初予算しか気にせず、補正予算は度外視するという奇妙な国である。 来年は、3年に一度の年金支給開始年齢を引き上げる年だから、これだけで1.3兆円のデフレ要因になる。そんな年に、特例年金水準のカットで5400億円のデフレ要因を作り、そのわずか半年後の2014年4月には、更なる5400億円の年金カットと、消費増税3%アップを行う。普通の感覚では常軌を逸しているのだが、無知とは、どんなことも可能にするようだ。 日の財政当局は、「いかに国民に負担を課しても消費には一切影響しない」という、都合の良い理論に凝り固まっているので、需要管理などは視野にない。また、日の新聞や有識者は、当局が説明してく

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    t_thor 2012/12/01
  • 選択肢なき総選挙の争点 - 経済を良くするって、どうすれば

    日経は「総選挙の争点は成長戦略」とするのだが、民主、自民どちらのものが実行されても、成長はおぼつかない。その意味で、選びようがない。大なり小なり、金融を緩和して、企業に資金を余らせるというものであり、この10年来、はかばかしい効用が見られなかった戦略の焼き直しである。 「同じことをしておきながら、別の結果を期待するのは、狂気なり」というのはアインシュタインの言葉らしいが、そんなところだろう。輸出需要という、外から与えられる幸運に恵まれなければ、みずから成長の機会を作り出すことができないというのが、これまでの日であり、これからの日でもあるようだ。 衆院解散の興奮の中で、もらいすぎ年金の減額が決まったが、来年分だけで年間5000億円に及ぶ。同じ10月には、毎年恒例の年金保険料のアップが5000億円ほどあるから、来年は、年金だけで1兆円のデフレ促進策を実行することになったわけだ。むろん、その

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    t_thor 2012/11/18
  • デフレの真犯人を探して - 経済を良くするって、どうすれば

    現在の日の経済思想は、財政赤字を圧縮して資金を余らせ、法人減税をして資金を余らせ、金融緩和をして資金を余らせ、成長戦略と称する各種優遇策で資金を余らせ、社会保険料抑制と雇用流動化で人件費に係る資金を余らせ、あとは、規制緩和を叫べば、成長するというものである。 もちろん、これでは失敗する。成長の原動力である設備投資は、需要を見込んでなされるからだ。経営者というのは、いかに資金が潤沢で、機会利益があろうとも、リスクを恐れるものである。これは、経済学の教科書にある利潤最大化に反する「不合理」な行動になるが、嘘だと思うなら、実際に聞いて回ったらよろしかろう。 この経済思想に従った政策は、痛みが伴うため、必ず抵抗する人が出る。それゆえ、思い切った実践は難しい。その結果、「成功しないのは不十分だからだ」と言い募ることができる。効果が見られなくても、思想が的外れだと疑われることはない。そして、比較的、

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    t_thor 2012/11/12
  • 経済における規律と柔軟性 - 経済を良くするって、どうすれば

    日経の一部論説というか、「小さな政府」路線の方々は、社会保障を圧縮して、企業にたっぷり資金を与えれば、経済は成長していくというナイーブな考えの持ち主のようだね。まあ、経済界の中には、とにかく企業を楽にしてくれれは、国の成長なんぞは知らんという御仁も居ろうが。 今日の日経社説は「国会は年金もらいすき正す約束果たせ」だ。エコカー補助金の終了で、年度後半に消費が弱まると心配されているのに、なんで、その秋に5000億円規模の年金カットを断行せねばならんのかね。正義感は分かるが、いつから、日経は、景気より不公平を重視するようになったのか。別に年金をカットしたからといって、企業の負担が軽くなるわけでもない。 こういう行状を見ていると、やはり、ケインズ言うところの「危険なのは利害より思想」というのが良く分かる。日経は「経済界の機関紙」なんて揶揄されるのだけど、経済界の利益の代弁者というわけでもなく、安っ

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    t_thor 2012/08/26
  • 長期金利の本当の課題 - 経済を良くするって、どうすれば

    現在の長期金利には大きな歪みが生じている。むろん、理由は欧州危機であり、その動向によって揺れているのである。これに関して、消費増税の採決を巡り、上がった下がったと騒ぐのは、事の質を見失うことになりかねない。そして、長期金利の当の課題は、全然、別のところにある。 ……… 消費増税の法案採決前の政治混迷に際して、各紙が「悪い金利上昇」と騒いだのは、何とも奇妙な光景であった。長期金利は、春頃までは1%弱の水準にあり、0.7%台といった超低金利は、欧州危機の深まりによって生じたものである。したがって、ECBが柔軟性を発揮するなどして危機が和らげば、元に戻ることは十分に考えられる。消費増税を敢行し、超低金利を維持しようとしても、無理な話である。 日経は、1.09%を超えると大手銀の保有国債に含み損が生じるとか、2003年に0.43%から3か月で1.2%も反転上昇したとか言って怖がらせるのだが、春

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    t_thor 2012/08/20