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ブックマーク / dongfang99.hatenadiary.org (8)

  • 地雷を踏むような状態 - dongfang99の日記

    政治的な選択肢は完全に行き詰っているように見える。どんな政策をとろうとしても、政治家にとって地雷を踏むような状態にある。 たとえば、年々膨れ上がる社会保障費のために税負担を要求すると、「デフレ不況下の増税はとんでもない」と言われ、では金融緩和や財政出動をしようとすると、「国債の金利が上昇して財政破綻」とか「これ以上将来世代にツケを回すべきではない」と言われ、公共事業や再分配政策で需要を喚起しようものなら、「国民を馬鹿にしたバラマキ」などと轟々たる非難を浴びてしまう。規制緩和や民営化による成長戦略はリーマンショック以降に説得力を失い、かといって北欧のようにセーフティネットを分厚く張ろうという主張も、そもそも現状の薄い社会保障の財源調達でさえ青息吐息であることを考えると、現実にはほとんど絶望的である。震災による財政圧力が厳しくなったことで、こうした行き詰まりは、これ以上なく悪化していると

    地雷を踏むような状態 - dongfang99の日記
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    t_thor 2012/09/23
  • 社会保障を考える - dongfang99の日記

    「平成24年版厚生労働白書 −社会保障を考える」に対して、「教科書的」という好意的な評価がある一方で、「経済学の知見がない」という批判が散見された。あまり正当な批判ではないと思う一方で(経済学の教科書に「社会保障論の知見がない」と批判するようなものなので)、社会保障制度が経済にどう貢献するのかについて改めて考えたくなったので、以下に簡単に述べておきたい*1。ちなみに、これは厚労省白書のように「教科書的」なものでは全くなく、人によっては「いまさら」の話かもしれないが。 第1に、希少資源を奪い合う「生存競争」を抑止し、付加価値を高めるための競争を促進する。政府による基的生存の保障がなく、市場競争が純粋に「生き残るため」の競争になってしまうと、「俺たちの生活がかかっているのにそんな冒険できるか」と、ビジネスの現場で斬新なアイデアや発想は排除されて、確実に目先の利益を確保できるような旧来のやり方

    社会保障を考える - dongfang99の日記
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    t_thor 2012/09/10
  • 「絆」の戦後史 - dongfang99の日記

    漢検の今年の漢字として「絆」が選ばれた事に関して、どこかの新聞で、いま人と人との結びつきとして理解されている「絆」は昔は否定的な意味であったという記事を読んで、「へえ、そうなんだ」と思い、ではいつ頃から肯定的な意味に変わってここまで普及するようになったのか、ということが気になって国会議事録や朝日新聞の記事タイトルなどを検索してみた。単に暇な時に興味があって調べたというもので、特に言いたいことや結論があるというわけではない。 確かに新聞や議事録などにおける1960年代頃までの用法を見ると、「絆創膏」「脚絆」(ゲートル)など以外には、身動きが取れない環境を指して、「羈絆(きはん)」などの意味で使われていることが多い。また、「封建的な絆」「悪弊のきずな」とか、束縛や癒着・結託といった明確に否定的が意味が込められることも少なくない。「絆を断ち切るべき」という表現も散見される。これは、家畜を繋ぎ止め

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    t_thor 2011/12/19
  • 「ポピュリズム」とは何を指すのか - dongfang99の日記

    先週「大阪W選挙」で圧勝した橋下前大阪府知事の政治手法は、「ポピュリズム」と称されることが多い。「ポピュリズム」は政治学者による研究の蓄積はあるようだが*1、政治学の教科書や事典でも物によっては項目がなく、一般には「有権者をバカにした人気取り政治」という否定的な意味合いがあるので、個人的にはこの言葉をほとんど使わないようにしている。しかし「橋下人気」の盛り上がりで、「ポピュリズム」の言葉をあちこちで目にするようになるにつれて、「ポピュリズム」と名指される事態が何であるのかについてあらためて気になったので、ここで簡単に触れてみたい。 「ポピュリズム」は、れっきとした民主主義をめぐる概念の一つである。たとえば、民主主義の考え方は、大きく二つに分けることができる。一つは、様々な利害や価値観をもった個人や集団の間の対立や話し合い妥協のプロセスであると考えるものと、もう一つは住民や国民全体が共有する

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    t_thor 2011/12/06
  • みんなの党の緊縮財政予算案 - dongfang99の日記

    みんなの党、予算修正案まとめる 行革で歳出大幅カット2011.2.25 19:15 みんなの党は25日、子ども手当廃止や国会議員と公務員の人件費削減などで歳出を大幅にカットした平成23年度予算案と予算関連法案の修正案を発表した。政府案が一般会計総額92兆4千億円に対し59兆8千億円の緊縮予算で、国債発行額も政府案の44兆3千億円に対し17兆7千億円に縮減した。現行40%の法人税率を20%まで引き下げて経済成長を目指す。 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110225/stt11022519160009-n1.htm 経済学系の人に絶大な人気がある「みんなの党」は、批判的な自分も「経済通」ではあるのだろうと評価してきたのだが、この与謝野馨も顔負けの緊縮財政路線には流石に驚いた。 デフレ不況が継続している状況下で、この強硬タカ派の緊縮財政路線は、いっ

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  • 再び福祉と経済の関係について - dongfang99の日記

    飯田泰之×宮崎哲弥 トークセッションに行ってきた 鄙/Hina blog http://since20080225.blogspot.com/2011/01/blog-post.html (質問者B)三点ほどよろしいでしょうか。一点目は先日菅総理が成長戦略として第三の道を提唱しました。それは福祉を産業として育てようというものでした。福祉関連の仕組みは非常に効率が悪いのが現状ですが、果たして福祉というのは経済を引っ張るような成長産業になるのか疑問を感じるのですが、どうお考えでしょうか? ・・・・・ (飯田)まず管さんの福祉の話はまったく仰るとおりでして、福祉という産業が日経済の為になるということは、介護であるとか福祉サービスを受ける側が喜んでお金を払う、そういう状態になるということです。ところが、次のご質問にも繋がりますが、実際には法律でがんじがらめになっているために非常に典型的なサービス

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    t_thor 2011/01/26
  • データ的には「小さな政府」という謎 - dongfang99の日記

    OECD諸国の公務員数 ― 社会実情データ図録 http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/5192.htmlはここで掲げられたOECD26カ国の中で最も少ない5.3%である(働くものの5.3%が公務員)。OECD26カ国の平均は14.3%であるので、日は先進国平均の4割以下の水準の公務員しか抱えていないことが分かる。小さな政府の代表といわれる米国は14.1%と少なくとも政府雇用者からいえば決して小さな政府ではない。 最も公務員数が多いのはノルウェーの28.8%、第2位はスウェーデンの28.3%である。 公的企業の雇用者の比率は、東欧を除くと、フランスとオランダが大きい(フランスの場合、図の注の通り、さらにデータに含まれない公共機関があるという)。日の公的企業の比率も韓国より小さく、米国と同等の小さいな方である。 大きな政府・小さな政府(OECD諸国の財政規模

    データ的には「小さな政府」という謎 - dongfang99の日記
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    t_thor 2010/08/10
  • 事業仕分けデフレスパイラル - dongfang99の日記

    「事業仕分け」は来年以降も継続するらしいが*1、そこで心配するのは以下のような悪循環に陥ってしまうことである。 (1)緊急性を要する分野(介護・年金など)の財源を確保するために、緊急性のない財源(教育・学術研究など)が「無駄が多い」として削減される。 →(2)前回に削減された分野の問題が深刻化し、それを解決するために、さらに緊急性のないと思われる分野の財源を「無駄が多い」として削減していく。 →(3)このサイクルが延々と続き、結局ほぼすべての分野が深刻な財源不足になり、行政に頼らないでも生活できる、一部の富裕層以外の国民の生活は当然崩壊する。 これは事業仕分けで始まったというよりも、2000年代以降に、全体としてこういう「デフレスパイラル」が緩やかに続いてきたような気がする。 なぜだか、「無駄の削減」が(事業仕分けを批判する人を含め)自分は関係ないと思いこんでいる人が多い気がするのだが、そ

    事業仕分けデフレスパイラル - dongfang99の日記
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    t_thor 2009/12/02
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