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ブックマーク / hongokucho.exblog.jp (18)

  • “包括緩和”を決定=金融緩和のガラケー的発達 | 本石町日記

    日銀が日の決定会合で金融緩和を決定。声明文&会見では「包括緩和」と称された。思いつつままの雑感は以下の通り。余裕があればメルマガ(臨時)でポイント的な解説を行う予定です。 ・緩和演技としては期待以上。いろいろなパーツを盛り込んできた ・総裁も会見では「教授」にならないように慎重に答弁 ・金融市場(金利系)に一番効くのは「時間軸」の強化。(実質)ゼロ金利を永遠なれ…の感 ・政策金利はバンド誘導。FRB方式。変動させれば市場機能はちょびっと生きる ・信用緩和部分と量的緩和部分をバーチャル基金化 ・幾つかの点で一線を飛び越える ・また43条ですか(そして、ここでも一線越えたところあり) 総評。外野がうるさいので、幾つかの武器を同時に装備した感があり。しかし、理屈を練って、オペをひねり出すオペレーション能力は相変わらず高度。結果的には、一般の方々にとっては、ロジックが複雑・怪奇化し、まあ金融緩和

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    t_thor 2010/10/06
  • 介入雑感&非不胎化など | 本石町日記

    介入がやっと入った。あくまでもスムージングが目的なので、もっと早い段階で入っても良かったと思うが、長年介入をやっておらず、「介入」がやたらと注目され、もみくちゃになる中では、まあ良いタイミングで入ったのだろうと思う。MOF&日銀の介入関係者らは良い仕事をしたと評価したい。 でも、この間、介入をやる上で困ったこともあったように感じる。仙谷長官の「82円が防衛線」というのは、投機筋に攻撃目標を与える失言であるし、菅総理も代表選の過程で水面下の交渉(欧米に文句を言わせない工作)を暴露したりと、市場とのゲームをやりにくくしている。 介入というのは、市場との戦いでもあるので、手の内をさらすのは自ら戦いを不利にするようなもの。民主党は政権運営の経験がないというのは分かってはいるが、もう少し現場の声は聞いた方がいいように思う。来、相場を人為的にいじるのはやらない方がいいのであり、政治主導とは言っても、

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    t_thor 2010/09/17
  • 白川総裁のスピーチより抜粋=ツィッターのまとめ | 本石町日記

    26日、バーナンキ議長と仲良さそうに並んでスピーチした白川総裁。ツィッターでいくつか紹介した内容をこちらでもまとめておきたい。この間のニューヨークでの講演もそうだったが、気合いの入った内容でありました。まあ、言いたいことを全て詰め込んだという意味では、栄養過多(いい意味)な内容であり、消化するのに時間がかかりそうです。 ・今回の危機発生以前は、ゼロ金利制約を回避するための糊代(safety margin)が、しばしば若干プラスの物価上昇率を目標とすることを根拠づける理由の1つとして指摘されていました。しかしながら、今次金融危機では、主要国はいずれも事実上ゼロ金利制約に直面するに至っています。リーマンブラザーズ破綻以降の厳しい経済活動の落ち込みを振り返ると、より高い目標インフレ率によって可能となったであろう、あと数パーセントポイントの金利低下によって、経済の回復軌道が大きく変わったと考える人

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    t_thor 2010/05/28
  • 最近の色々な出来事に関する感想=日銀成長オペ、ユーロ、JGB | 本石町日記

    ツィッターの方に行っており、こちらの更新が停滞した状況でありますので、この間に起きた幾つかの出来事について簡単な感想。というか、時間が経つとあまりコメントすることなくなりますね。まあ、物事というものは実は解説することはそんなにはなくて、取りあえず見守りましょうか、という程度のことなのだろう。 ・日銀の成長基盤強化に資するオペ これは、矩を越えない、と言っているので、オペ自体は既存の供給手段とほぼ変わらないようなもの。なので、これ自体に関心を集めても意味はない。簡単にやるなら、特オペの名前を変えて存続させるのも手かな、と思う。といっても、それだとあまりに手抜きになるので、少しは工夫はしてくるのかもしれない。まあ、銀行は金余りで、担保もたくさんあり、ニーズはないようでもあるし。成長を願う日銀の気持ちを表すオペでしょう。 ・ユーロ 既に解説は出尽くしでありましょうか。現状、財政バラバラな中で、ユ

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    t_thor 2010/05/19
  • 新型オペの供給を強化しましたよ=日銀金融政策決定会合 | 本石町日記

    いろいろ論点はあるが、とりあえず箇条書きで日の決定について。 ・政策運営は二重制 ①翌日物金利による金融政策→現状維持が継続中 ②ターム物低下を促す金融政策→新型オペの残高を20兆円に倍増→緩和強化 新型オペの固定金利期間が3カ月物なので、この部分の重しが強まる形となる。当座預金のニーズが一定だとすると、新型オペを打ち続ければ、その他の短期物オペが減っていく。つまり、短期供給における新型の比率が高まっていく感じ。もちろん、期末要因などで当座預金残高は上下動はするだろうが。 ・景気判断は据え置き つまり、景気判断に基づく金融政策の変更ではない。この点が分かりにくいところ。広い意味でのインフレターゲット政策の色彩が強まりつつある。当面、景気判断とは無関係に緩和強化となる可能性が高い。 ・今後の展望 海外経済の動向(&市場動向) 政治情勢 などの環境が好転していけばいつか正常化するかも。よく分

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    t_thor 2010/03/18
  • FRBも日銀に似てきた?=クルーグマン教授がBernanke-sanと呼び始めた | 本石町日記

    米FRBが公定歩合を引き上げた。今後の正常化につながる措置であるならFF金利の引き上げ(引き締め)も視野に入れているとは思われるが、単に公定歩合の引き上げだけみれば、個別銀行向けの貸出を駆使した流動性供給の正常化に過ぎない。私は、それだけの技術的な措置であり、FF金利の引き上げは当分はないだろう、と思っている。だが、今回の早過ぎる?タイミングはハト派のエコノミストらには不評で、その筆頭の1人がクルーグマン教授であった。 ツィッターでは簡単に触れたが、改めてこちらでも紹介したい。クルーグマン教授は「Disinflation」というエントリーで最近の物価動向を分析し、ディスインフレ色が強まっていることを指摘している。 前段では、物価指数としてはクリーブランド連銀の“刈り込み”指数に注目していることを紹介。その上で、「these indicators tell a story of dramat

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    t_thor 2010/02/26
  • 政策金利の“水戸黄門”(だった)公定歩合の報じ方 | 本石町日記

    では政策金利の「公定歩合」は2001年2月に消滅した。言葉がなくなったので、マスコミは使いたくてうずうずしても使えなくなり、強いて使うなら「補完貸付金利(旧公定歩合)」といった程度。でも、これだと迫力も何もないので、そのうち寂れてきた(と記憶している)。で、残った「公定歩合」が米FRBのやつである。この辺、ツィッターでも多少触れたのだが、discount window(連銀貸出)に適用する金利=discount rateの翻訳が「公定歩合」なのである。 もちろん、FRBのdiscount rateも日銀の公定歩合と同様にとっくにロンバート化(政策金利の市場金利より高い水準で受動的に貸す際の金利)しており、公定歩合とは言っても昔とは意味は全然違うのだが、discount windowのdiscount rateと言語はそのままなので、翻訳も「公定歩合」のままとなっている状態だ。で、そうい

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    t_thor 2010/02/22
  • 「キャリートレード」と金融政策の再考=日銀レビューの考察 | 本石町日記

    日銀レビューで「新興国の国際資金フローと資産価格の変動」というのが出た。こちらである。詳しい内容は直接ご覧頂くとして、ここではこのレビューに引っかけてキャリートレードと金融政策の関係を簡単に考察してみたい。キャリートレードは過去何度が取り上げたが、私はあまりこのトレードを重視する立場にない。簡単に言えば、マスコミも取り上げるし、相場ネタとして過大にはやされている面があって、金融政策運営上は極論すれば無視して良いんじゃないか、と思っている。 同レビューもこのタイトルからしてキャリートレードは外すわけにはいかず、一応は項目を作っている。その中ではやっぱり「キャリートレード全体の市場規模を把握することは難しい」とし、一例として「通貨先物を利用したキャリートレード」を紹介している。お馴染みのシカゴIMMのポジションである。キャリートレードという用語はあちらこちらで盛んに踊るが、実態はよく分からない

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    t_thor 2010/01/22
  • 菅大臣の「口先介入」をめぐる報道について=「結果オーライ」だったのでは | 本石町日記

    一発目に追記 「デフレ宣言」した政府が、円安に誘導した財務大臣の発言を問題視するのはおかしい。むしろデフレ脱却に資する、というのが整合的ではないのか、と政府の立場なら思う。 菅大臣の円安誘導発言、つまり「口先介入」がいろいろと報道されて、菅氏がまずい対応を取ったかように扱われていた。ただ、この件で総理がコメントする場面がニュースに出ていたが、全体を聞いた印象では問題視するような印象は受けなかった。今もNHKが「波紋が広がっている」と報じているが、正直、この件はそれほど大々的に取り上げる問題なのか、という気がする。意図的に騒ぎを大きくしているきらいがある。 報道では、発言で相場を動かしたこと自体を問題にするかのようなものもあったが、つい数年前は介入しまくりで、それに比べれば発言でちょっと動いたこと自体は大した話ではない。口先介入はただの方法論で、あまりやらない方がいいのは、逆に相場の安定化が

  • 「名無しの新型オペ」を決めた本日の臨時決定会合のポイント | 本石町日記

    ・新型の供給オペに名前はない。それでは困るので、私は取りあえず「名無しオペ」と命名した。 ・よく見ると、共通担保を特オペ化したようなものだ。 ・ただし、特オペは担保があれば無制限だが、この名無しは週一回、8000億円のオファーとなる模様だ。 ・特オペなど期限があったが、名無しは期限がない。いつまでも続ける形だ。いちいち止める判断をする手間が省ける。少し賢くなった。 ・10兆円とは何か。名無しを3カ月続けると、残高がそれくらいになる、というそれだけの意味。 ・量的緩和? さあ、私はその意味がよく分からない。 ・日銀が共通担保から特オペを切り出したとき、共通担保を3カ月固定指し値でやった方が簡単じゃね、と言ったが、名無しがこれじゃないのか。 日の臨時で画期的だったこと。 白川総裁が現在の潤沢に供給する政策スタンスについて「広い意味での量的緩和」と初めて量的緩和と言ったこと。そして、あんなにゼ

  • クルーグマン教授、「日本に求めたリフレ策をなぜ米国に求めないのかと言えば…」=追記あり | 本石町日記

    クルーグマン教授が「It’s the stupidity economy」というエントリーで、かつて日に求めたリフレ策を自国に求めていない理由を説明している。端的には、インフレ期待を高める(信頼される)コミットメントを確立するのが難しいためだ。この辺の事情を同教授はこれまであまりはっきり説明しておらず、いきなりケインズ的財政出動論を唱えた印象を受けるのだが、このエントリーを読むと、有効なリフレ策の前提条件が整わない以上、「流動性の罠」から抜け出すには財政出動しかないでしょ、という主張に至ったようだ。 実は、このエントリー(13日)に先立ち、タイミングが良いことにhimaginaryの日記さんの「名目論争」(11日)のコメント欄で、馬車馬さんとhimaginaryさんがクルーグマン教授の立ち位置を議論されておられ、これも非常に参考になるので、ご一読を。エントリーでは最新のリフレ論も紹介され

  • マスコミが騒ぐと相場は終わる、の巻=債券、やっぱり買いたかったのね | 本石町日記

    一応、こうなるとは予想していたのだが、何だもう終わったのか、とややあっけない印象であります。何せ最悪は国家破たんという財政赤字がテーマなので、もっと腰入れたショートが打ち込まれ、せめて1.5%は突破するだろうな、と思っておりました。しかし、実際はその手前から怒濤の買い戻しが入り、やっぱりみんな買いたかったのね、と改めてわがJGB市場の劣情を思い知ったのでありました。 この間の海外メディアの取り上げ方をEconomics, Technology & Mediaが紹介されている。plateausさんはツィッターの方で活発に呟かれており、これも参考になります。ご関心ある方はフォローを。で、今回は海外メディアの報道が目立った財政赤字相場である。結果的には宝くじに当たったようなもんだが、初期的にショートで入った向きが、少しでも今回のシナリオを描いていたとしたらナイスであった。 民主党政権が発足直後

  • 服部正也氏が着任したときのルワンダ中銀の状況 | 本石町日記

    「ルワンダ中央銀行総裁日記」を読書中。まだ50ページ程度しか読んでいないが、これだけでもネタがぎっしり詰まって想像を絶する面白さである。ずんちゃかさん、すいません、面白さを超過小評価しておりました。お宝を放置していたことが激しく悔やまれます。で、つかみ的に、服部氏が着任したときのルワンダ中銀の状況を紹介したい。それは劇的であり、登場人物はキャラがたち、中銀版冒険小説と言っていいほどである。 ルワンダは貧しい国だが、それでも一国の中銀だからある程度の体をなしているだろうと思いきや…。 ・バンキングを知らない副総裁のハビ君が出迎え ・中央銀行はペンキの剥げかかった二階建ての家 ・ハビ君が連れてきた総裁付き運転手は制服ボロボロ、ボタンは取れ、はだしであった ・運転手チトー君はハビ君の甥だった ・総裁公邸と思った家は、急病で帰国した外人職員の住まいで、用意されていた料は実は残飯だった ・理事の

  • サンフランシスコ連銀にデモ隊(お知らせあり) | 本石町日記

    CalculatedRiskでサンフランシスコ連銀にデモ隊が押しかけてきたことを知った。デモの模様はこちらに詳しい。まあ、静かな抗議行動であったようです。個人的には、バーナンキ議長は頑張っていると思うのだが、ウケは悪いようである。「ヘリコプターマネー」はうまくいくかどうかはともかく経済を救済するためだが、怒った人々には銀行救済に見えるようである。ウェルズファーゴの好決算も、家計から銀行への不当な利益移転とかいう批判もあった。日でも低金利批判が巻き起こったが、日銀前にデモ隊が押しかけてきたことはなかった。衆愚的な色彩を強めつつある米経済の先行きが思いやられる。試しにデモの模様を伝えるサイトから写真をアップできるかやってみた。それにしてもこの模型、よく出来ている。 お知らせ 誤ってスパムではないトラックバックを消した可能性があります。送り主さん、申し訳ありません。必要であればまたトラックバッ

    サンフランシスコ連銀にデモ隊(お知らせあり) | 本石町日記
  • 最近の金融政策運営についての説明(自分用・参考まで) | 本石町日記

    日米英の金融政策は「ゼロ金利」でもなく「量的緩和」でもなく、いくつかの緩和策の合わせ技になっているが、一般的には分かりにくい。白川総裁が会見で、改めてこの辺のところを説明しているので、もっぱら自分用ですが、参考までに紹介します。 金融政策については色々な概念整理が可能かと思いますが、私自身は3つの柱から成っていると思う。 1つ目は政策金利を引き下げることで、現在0.1%まで引き下げている。 2つ目は金融市場の安定を維持すること。これは必ずしも狭義の金融政策だけではなく、最後の貸し手として資金供給することや通常のオペレーションでも潤沢に資金供給していくことが含まれる。 3つ目は、CP市場(CP買い入れ)がその典型だが、金融市場の機能が低下し企業金融が全体として逼迫を来しているときに、その金融市場に対して中央銀行が働きかけていくという政策であり、これについては確かにクレジット・イージング(信用

  • 政府紙幣や無利子国債など=これらに関連した妄想的考察 | 本石町日記

    政府紙幣や無利子国債が話題になっている。あまり詳細にはフォローしていないのだが、取材上の感触では、政府紙幣よりは無利子国債の方が議論としては多少現実味があるかな、という印象である。最近会ったMOFの某OBは「強いて勉強するなら、政府紙幣よりは無利子国債なんじゃないか」と言っておりました。確かに政府紙幣では日銀総裁と財務次官が歩調合せての反論(珍しい?・笑)になっておりますしね。で、個人的には、日の日経新聞「経済教室」の深尾光洋教授の解説が最もオーソドックなものではないか、と思っております。深尾先生、参考になりました。 で、以下は妄想なんだが、政府紙幣や無利子国債の狙いに日銀B/Sの構造要因などを絡めてちょっと可能性を探ってみた。与野党、財務省、日銀の方々、ご意見あれば幸いです。 ・政府紙幣→無コスト(金利負担なし&償還なし)で資金を調達して経済対策に使うのが目的。流通させるやり方はいろい

  • 日銀が株を買った法律について=日銀法43条なるもの | 本石町日記

    日銀は法律上、通常業務では株を買えない。ではなぜ買えたのか。日銀法43条を使ったのである。この条項は以下の通りである。 「第43条  日銀行は、この法律の規定により日銀行の業務とされた業務以外の業務を行ってはならない。ただし、この法律に規定する日銀行の目的達成上必要がある場合において、財務大臣及び内閣総理大臣の認可を受けたときは、この限りでない」 この条文のうち、ポイントは「ただし」以下のところである。では株を買う目的とは何か。これは第一条の二項、すなわち「日銀行は、前項に規定するもののほか、銀行その他の金融機関の間で行われる資金決済の円滑の確保を図り、もって信用秩序の維持に資することを目的とする」である。まとめると、日銀は「信用秩序維持のために株を買うことが必要である」と判断し、「株を買っても良いですか」と43条に基づいて財務大臣および総理にお伺いをたて、「オッケー」と言われて買

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    日銀取材の備忘録

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