川崎の町をウロウロ歩き回っていた 川崎の中学校に通う13歳の少年R君が、派遣会社に勤める18歳の少年Aとその遊び仲間の17歳の少年2人によって川崎区港町の多摩川河川敷で殺された通称〈川崎市中1男子生徒殺害事件〉は、事件発生から2年以上経過した今でも、僕の心に引っかかったままになっている事件です。(事件の詳しいことはウィキペディア等で調べてください) もう50年も前の話になりますが、僕は高校を卒業すると同時に(大阪府)枚方市にあったステンレス工場に就職しました。岡山の山奥で育ったこともあって、工場は近代の象徴として僕の中で輝いていました。ステンレスという言葉の響きにも、近代っぽさを感じていたと思います。 ところが工場の中は、僕が想像していたような輝いた場所ではありませんでした。僕は3ヵ月でその工場を辞め、わずかな手荷物と布団を背負って川崎にやってきました。父親が出稼ぎで川崎に来ていたからです