東京都心部の人口密集地や川崎市の石油コンビナート上空を羽田空港(東京都大田区)の離着陸機が通る新飛行ルートは危険で騒音が大きいとして、ルート直下の住民ら29人が国に運用の取り消しを求めた訴訟で、東京地裁(岡田幸人裁判長)は20日、訴訟の対象にならないとして訴えを却下した。住民らは判決を不服として控訴する方針。(加藤益丈) 判決理由で岡田裁判長は、航空機は騒音や安全性について一定の基準を満たすことが航空法で求められていると指摘。飛行ルートは「住民に騒音被害の受忍を義務付けたり、墜落・落下物の被害による生命、身体への危険を負わせたりすると認められない」とし、訴訟で争える国民の権利義務を制限する行政処分には当たらないと判断した。