『国語辞典を食べ歩く』(サンキュータツオ/女子栄養大学出版部) 世界にはありとあらゆる料理が存在し、毎年いろんな料理が流行している。そんな無数の料理を、国語辞典ではどのように扱っているのだろうか。国語辞典は、各出版社が10年もの長い月日をかけて改訂するもの。どの言葉を掲載し、どの言葉を掲載しないか、その線引きは、各社の国語辞典の個性の見せどころなのだ。 そんな国語辞典の奥深さがわかるのが、『国語辞典を食べ歩く』(サンキュータツオ/女子栄養大学出版部)。この本は、学者芸人のサンキュータツオさんが代表的な国語辞典から食べ物に関する言葉を読み比べた一冊だ。それぞれの国語辞典で料理名がどのように表現されているのか、あるいはあえて掲載していないのか。読み比べてみると、出版社ごとの特徴が見えてくる。 国語辞典界の「食通」は、『三省堂 国語辞典』 たとえば、『三省堂 国語辞典 第七版』はかなりの「食通」