宇宙航空研究開発機構(JAXA=ジャクサ)は22日、2010年に小惑星探査機「はやぶさ」が小惑星イトカワから持ち帰った微粒子の表面に、45億年前に誕生したイトカワの母天体の痕跡を見つけたと発表した。 イトカワの母天体は太陽系が誕生した頃にできた小天体とみられ、13億年前に別の天体が衝突して壊れ、その破片が集まってイトカワができたと考えられている。JAXAの研究チームは、はやぶさが持ち帰った1000個以上のイトカワの微粒子のうち26個を電子顕微鏡などで観察し、4種類の模様を発見した。このうち階段状の模様は、微粒子が45億年前にイトカワの母天体の内部にあり、800度以上の高温に数千年間さらされた後、ゆっくりと冷えた痕跡と考えられるという。JAXAの松本徹研究員(惑星物質学)は「太陽系の初期の頃に熱で変化した痕跡が残っていたのは大きな発見だ。惑星の進化の過程を理解することにつながる」と話している