「幸福度が低い」=「感情的な不幸」とは限らない ──「レポートカード16 子どもたちに影響する世界:先進国の子どもの幸福度を形作るものは何か」※1で日本は総合順位が38カ国の中で20位、精神的幸福度はワースト2位となっています。この結果から、どんなことが見えてくるのでしょうか。 最初に申し上げておきたいのは、「『幸福度』という言葉に惑わされないでください」ということです。原文で使われていた「ウェルビーイング」を日本語に翻訳した際に「幸福度」という言葉になったのです。ウェルビーイングとは、子どもの生活水準や心身の健康など、子どもの状況全体を表しています。 ──「幸福度が低い」=「感情的な不幸」とは限らないということですね。では、精神的幸福度についてもう少し詳しく教えてください。 「レポートカード16」では、「生活満足度が高い15歳の割合」と「15〜19歳の自殺率」という2つの指標を基に精神的