がん治療は「手術」「放射線」「抗がん剤」が標準治療とされているが、その限界を唱える医師も登場する昨今。“第4の治療法”として注目を浴びているのが「免疫療法」である。がん細胞を直接殺すのではなく、人間の持つ自然免疫力を高めて、がんの発生や増殖を抑えようとする治療法である。 いま、免疫療法の元祖というべき薬の有効性に大きな関心が集まっている。1944年に日本医科大学元学長の故・丸山千里氏が皮膚結核の薬として開発した『丸山ワクチン』である。 丸山ワクチンは丸山博士を中心に長らくがん治療に転用する研究が続けられ、1976年には抗がん剤として製造承認を求める申請が当時の厚生省にも出されるも、「効果が認められない」と5年後に却下。薬事法にも規定のない異例の「有償治験薬(有料の治験薬)」として、希望者のみ医師の承諾書を提出すれば使用が認められている。 「丸山ワクチンは水と同じ」――いまも効果に疑問