虐待からは逃げるしか生きる道はない 日吉丸、12歳。7歳の頃、父が戦死した。 当時の戦闘員は、武家に生まれたのではない限り、戦争のたびに一般庶民から募集して集めた雑兵で、だから逃亡も多く、プロの戦闘員ではなかった。 日吉丸の父も農家を営みながら、兵役に取られ死亡したものと思われる。 翌年、母の仲が再婚した竹阿弥は最低の男で、その間に子どもが生まれると、日吉丸への虐待が増した。 「おい、クソガキ。ちゃっと水を汲んでこんか!」 貧しい掘建て小屋から、ゲキが飛ぶ。 先ほど殴られた頬が腫れ、唇が切れて血がにじんでいた。 義理の父は、なにかと理由をつけては殴る蹴るの毎日だ。 その上、冬の朝の水汲みは最も辛い仕事の一つであって、 裸足の足に凍りついた地面が刺してくる。足の裏に痛みなどない。厚い皮膚が何重にも硬く重なり、ひび割れ、それを繰り返すうちに感覚は失せていた。 真冬のさなか、井戸で桶に水を汲み戻
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