平井伯昌『見抜く力:夢を叶えるコーチング』幻冬舎新書 北島康介選手のコーチだった平井氏の指導論。教えられるところの多い本だった。 印象に残ったのは「選手の感性を磨いていかなければならない」という点。感性とは、自分の練習をきちんと意味づける力である。平井コーチは言う。 「「今泳いでどんな感じだった?」などと尋ねるようにしている。選手はつねに考えながら泳いでいるわけではないが、水をつかめたか、つかめなかったかは感じている。そこを意識して泳げるかどうかで、練習の意味合いが変わってくるのだ。最初のうちは「よくわかりません」「あまり感じませんでした」などという答えが返ってくるだけだが、なんども質問を繰り返しているうちに、「今日はすごくお腹に力が入って、水がちゃんとかけています」とい返事が返ってくるようになる。こうなると、コーチから言われたとおりに半ば強制的にやらされていた練習が、きちんと意味づけられ