昔から「銭湯」は、その土地の人々の暮らしを支え、コミュニティの中心にあるものでした。家庭のお風呂が当たり前になった現代では徐々にその数を減らしているものの、家族代々受け継がれてきた銭湯は、今も私たちの暮らしに彩りを添えてくれる存在です。 番台から見守ってきた街と人々の生活に迫る連載、【まちと銭湯】をお届けします。 東京の今が集まる街・渋谷。近年はヒカリエのオープンに始まり、東急東横線のホーム移設、渋谷ストリームや渋谷スクランブルスクエア、ミヤシタパークなど、続々と新たな商業スポットが誕生し、その変化の勢いはこれまで以上に加速しています。 しかし、その歴史を振り返ってみると、渋谷が今のようなにぎわいを見せ始めたのはここ30年から40年ほどのこと。70年代以降に若者向けの施設が誕生するまで、渋谷駅は郊外のターミナル駅のような存在に過ぎなかったそうです。 そんな当時の渋谷の空気感を、今もほんのり
